2018.11.3 第809回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:南 武嗣ドクター



二見いすず: 11月になりました。
今月のドクタートークは「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターです。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 毎年、10月になりますと、医療機関でインフルエンザの予防接種が始まったということを耳にいたします。
あらためて、インフルエンザとはどういう病気なのか教えてください。

南 武嗣Dr: はい。
インフルエンザとはインフルエンザウイルスに感染することにより発症する病気です。
季節性インフルエンザは流行性があり、いったん流行すると、短期間に多くの人へ感染が広がるのが特徴です。

二見いすず: 昨シーズンは全国的にインフルエンザが大流行いたしましたが、今シーズンはいかがでしょうか。

南 武嗣Dr: 日本では例年12月から3月頃に流行し、例年1月から2月に流行のピークを迎えます。
しかし、今年は9月の学級閉鎖数が全国で58校と報告されており、これは過去最多の患者数が報告された昨シーズンと同数です。
例年よりも早く、インフルエンザの流行の兆しがみられます。

二見いすず: そうなんですか。
今年もより一層の注意が必要だということですね。
では、インフルエンザになると、どのような症状があらわれるのでしょうか。

南 武嗣Dr: 特徴的な症状としては急に38℃以上の高熱が出ます。
また、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感等の全身症状も比較的強くあらわれます。
併せて普通の風邪と同じように喉の痛み、鼻水、咳等の症状もみられます。

二見いすず: インフルエンザと普通の風邪の違いは、急に38℃以上の高熱が出ること、そして、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感等の全身症状が比較的強くあらわれることなんですね。

南 武嗣Dr: はい。そうです。
インフルエンザが重症化すると、お子さんはまれに熱性けいれんや急性脳症を、高齢者は肺炎等を起こすことがあります。

二見いすず: 予防接種を受けることによって、重症化は防げるのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。
インフルエンザワクチンには、ウイルス感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化の防止が期待されます。
予防接種を受ければ、絶対にインフルエンザにかからない、というわけではありませんが、かかりにくくなる、重症化しにくくなると考えられます。

二見いすず: そうなんですね。

南 武嗣Dr: インフルエンザには複数の型があり、そのシーズンに流行が予測される型に合わせてワクチンが製造されています。
流行株が毎年異なること、ワクチンの予防効果は接種した2週間後から6ヶ月程度までと考えられています。
インフルエンザの予防には毎年ワクチンを接種した方がいいと考えられます。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続きインフルエンザの予防接種についてお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。