2018.11.10 第810回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:南 武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「インフルエンザ」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターです。
南さん、今週もよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週はインフルエンザワクチンには、ウイルス感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化の防止が期待できるというお話をお伺いいたしました。
予防接種を受ければ絶対にインフルエンザにならないというわけではありませんが、かかりにくくなる、重症化しにくくなると考えられているということでした。

南 武嗣Dr: はい。そうです。
感染を防ぐという意味では、できるだけ多くの方に予防接種を受けていただきたいのですが、特に推奨されるのは、インフルエンザが重症化しやすい方々です。

二見いすず: その重症化しやすい方々とは、具体的にどのような方々なんでしょうか?

南 武嗣Dr: インフルエンザが重症化しやすいのは、65歳以上の高齢者、65歳未満でも呼吸器疾患や心臓、腎臓などの慢性疾患のある方、糖尿病、免疫不全のような特定の基礎疾患のある方、免疫が少ない乳幼児などです。
また、WHOはすべての妊婦や医療従事者への接種も推奨しています。

二見いすず: ワクチンの接種方法や接種回数は年齢によって異なるのでしょうか。

南 武嗣Dr: インフルエンザの予防接種は、生後6ヶ月から受けることができます。
13歳未満は2回接種が推奨されています。
2回接種の場合は、1回目を受けてから少なくとも2週間以上あけて、2回目を受けてください。
できれば4週間ぐらいあけた方が、効果が高いと言われています。
なお、13歳以上は原則1回接種です。

二見いすず: 13歳未満は2回接種、13歳以上は1回接種ということですね。
では、予防接種の費用はどうなっているのでしょうか。

南 武嗣Dr: インフルエンザの予防接種は原則的に全額自己負担です。
費用は医療機関によって異なります。
ただし65歳以上の高齢者および60歳以上で基礎疾患のある方は、一部費用が公費負担となります。

二見いすず: ワクチンといいますと、副反応を気になさる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

南 武嗣Dr: インフルエンザワクチンで比較的多くみられる副反応には、接種部位の赤み、腫れ、痛みなどがあります。
全身反応としては、発熱、頭痛、寒気、だるさなどがみられることもありますが、いずれの症状も通常2、3日でなくなります。

二見いすず: そうですか。
安心いたしました。

南 武嗣Dr: ワクチンに対するアレルギー反応は、接種後30分以内に起こることが多いので、病院内で安静にしておくことをおすすめいたします。
帰宅後に異常がみられた場合には、速やかに医師に連絡してください。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続きインフルエンザについてお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。