2018.11.24 第812回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:南 武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「インフルエンザ」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターです。
南さん、今日もよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週はインフルエンザの治療についてお話をお願いいたします。

南 武嗣Dr: はい。
インフルエンザに対する治療薬は、抗インフルエンザウイルス薬です。
今年に入って、新しい薬が登場し、注目を集めています。

二見いすず: その新しいお薬とは、どのようなものなのでしょうか。

南 武嗣Dr: タミフルなどの従来の薬は、1日2回・5日間の服用が必要ですが、ゾフルーザという新薬は、1回の服用で済むのが特徴です。

二見いすず: 新しいお薬は、1回の服用で効果が出るということなんですね。

南 武嗣Dr: はい。
タミフルやリレンザといった従来の抗インフルエンザウイルス薬は、細胞内で増えたインフルエンザウイルスが外に拡散していくのを防ぐのが特徴でした。
新薬のゾフルーザが画期的なのは、ウイルスそのものが細胞内で増えるのを抑制できるということです。
そのため、より早い段階で効果が出るんです。

二見いすず: そうなんですか。
1回の服用で済むのであれば、患者さんにとっては負担が少なくていいですよね。

南 武嗣Dr: そうですよね。
ただし、ゾフルーザは新薬の加算がついているため、従来の薬と比べると、自己負担額が若干高いというデメリットがあります。
今は飲み薬だけではなく、吸入薬、注射薬とさまざまな治療法がありますので、医師と相談しながら、適切な治療法を選択していただきたいと思います。

二見いすず: 具合が悪いなと思ったら、早めに医療機関を受診すること、そして、重症化を防ぐためにも、やはり予防接種を受けることが大切ですね。

南 武嗣Dr: はい。そうですね。
もっとも確実な予防法と言えるのが、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けることです。
ワクチンを接種していれば、50〜60%発症が減少するというデータもあります。
一人ひとりが自分の健康を守るだけでなく、ウイルスの流行を防ぐという意識を持っていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
インフルエンザの流行のピークは、例年1月から2月だとお伺いいたしました。
ぜひ年内にインフルエンザの予防接種を受けていただきたいと思います。

南 武嗣Dr: はい。
特に乳幼児の初めての感染は重症化しやすいです。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭は、ぜひご家族全員で予防接種を受けていただきたいと思います。
なお、卵などのアレルギーや免疫不全のある方は、医師にご相談ください。

二見いすず: よくわかりました。
ぜひ年内にインフルエンザの予防接種を受けてください。
4週にわたりインフルエンザについて貴重なお話をお伺いしました。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。