2019.3.23 第829回放送分 『皮膚のアレルギー』4回目 ゲスト:島田辰彦ドクター


二見いすず: 今月は「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターです。
島田さん、今日もよろしくお願いいたします。

島田辰彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は「じんましん」の原因となる食物アレルギーについて、いろいろとお話をお伺いいたしました。
今週は、皮膚アレルギーのもう一つのタイプ、「接触皮膚炎(せっしょくひふえん)」についてお話をお願いいたします。

島田辰彦Dr: はい。
接触皮膚炎は、いわゆる「かぶれ」のことで、何らかの原因物質が皮膚に触れることによって皮膚の表面に炎症が起こるものです。
原因物質の強い刺激によって炎症が起こる刺激性のものと、その物質にアレルギーを持つ人にだけ起こるアレルギー性のものがあります。どちらも皮膚の赤み、小さなブツブツ、水ぶくれ、ジュクジュクとしたカサブタなどがあり、かゆみやヒリヒリ感を伴うことが多いです。

二見いすず: 接触皮膚炎は、外側からの刺激で皮膚に炎症が起こるということですね。

島田辰彦Dr: はい。
ほとんどの接触皮膚炎は、原因物質が触れた部分だけに起こります。
ですから、耳たぶがかぶれているなら「ピアスかな?イヤリングかな?」、唇に出ているなら「口紅かな?」と言うように、症状が出ている場所で原因を推測することが多いですね。

二見いすず: 口紅でもアレルギーが出ることもあるんですね!

島田辰彦Dr: はい。
ほかにも、シャンプーや日焼け止め、洗剤、化粧品、髪を染めるヘアダイ、ゴム手袋、ジーパンのボタンや腕時計などの金属、身近にある様々なものがアレルギーの原因となってかぶれを起こします。
ウルシやマンゴー、サクラ草、キクなどの植物や、毛虫などもアレルギー性のかぶれの原因となります。

二見いすず: 本当に身近にあるものばかりで驚きますが、金属アレルギーという方はけっこういらっしゃいますね。

島田辰彦Dr: 女性は特にピアスなどで金属アレルギーになる方が多いですね。
金属アレルギーは金属そのものでかぶれることはないんです。
汗などで溶けた金属イオンが原因となるので、汗ばむこれからの季節はできるだけ金属が直接肌に触れないような工夫も大切です。


二見いすず: よくわかりました。
ところで、金属の種類によっても何か違いはありますか?

島田辰彦Dr: はい。
ニッケル、コバルト、クロムなどはかぶれやすいですが、プラチナやチタンはかぶれにくいと言われています。
金属を身につける場合は素材にも気をつけるとよいかもしれませんね。

二見いすず: よくわかりました。
金属アレルギーをお持ちの方は気を付けてください。

島田辰彦Dr: もうひとつ知っていていただきたいのが、紫外線が引き金となって起こる「日光皮膚炎」です。
ケトプロフェンという成分が入った湿布や外用剤をつかった部分に、紫外線が直接当たると激しい皮膚炎を引き起こします。
湿布を貼っている時はもちろん、はがしてからも1か月くらいは、その部分をしっかり衣服で覆わないと発症しますので、ご注意ください。

 二見いすず: 湿布をはがしてから1か月くらいは衣服で覆うということですね。
肌を露出しやすいこれからの季節は特に気をつけなければなりませんね。
お話は、鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。
島田さん、ありがとうございました。


島田辰彦Dr: ありがとうございました。