2019.3.30 第830回放送分 『皮膚のアレルギー』5回目 ゲスト:島田辰彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターです。
島田さん、よろしくお願いいたします。

島田辰彦Dr: はい。よろしくお願いいたします。

二見いすず: これまで4週にわたり、皮膚アレルギーの種類や特徴などを伺ってまいりました。
最終週の今日は、皮膚アレルギーの診断や治療、そして予防法について教えていただけますか。

島田辰彦Dr: はい。
皮膚の状態や患者さんのお話からアレルギーが疑われる場合、原因を追及する方法として検査があります。
「IgE抗体検査」という血液検査、そして「プリックテスト」または「パッチテスト」という皮膚テストです。

二見いすず: それはどのような検査なのでしょうか?

島田辰彦Dr: はい。
IgE抗体検査は、血液中の抗体を調べることで即時型アレルギーの原因となるアレルゲンを見つける検査です。

二見いすず: わかりました。
では、皮膚テストについても教えていただけますか。

島田辰彦Dr: はい。
「プリックテスト」は即時型アレルギーに対して行われるもので、ごく少量のアレルゲンを皮膚に刺して15分後の反応を見て判定します。
一方、「パッチテスト」は遅延型アレルギーに対して行われます。
少量のアレルゲンを皮膚に貼って48時間、72時間後の反応を見るものです。

二見いすず: じんましんなどの即時型アレルギーは「血液検査」と「プリックテスト」、接触皮膚炎などの遅延型アレルギーは「パッチテスト」でアレルゲンを特定していくということなんですね。

島田辰彦Dr: はい、そうです。
アレルギー性疾患の場合、原因となる物質の摂取や接触を避けることが一番大切です。
それと同時に、いま出ている皮膚症状に対する治療を行なっていきます。


二見いすず: それはどんな治療なのでしょうか?

島田辰彦Dr: じんましんの場合は、抗ヒスタミン剤という飲み薬を飲んでいただきます。
ヒスタミンというのは体内にあるアミノ酸の一種なんですが、アレルギー症状を引き起こす原因となるものです。
お薬でヒスタミンの作用を抑えることで、赤みやかゆみ、膨らみなどの症状がかなり改善されます。

二見いすず: よくわかりました。
では、接触皮膚炎の治療はどうでしょうか?

島田辰彦Dr: 皮膚炎というのは、文字通り、皮膚が炎症を起こしている状態ですから、原因が何であれ、皮膚炎を治すには「ステロイド軟こう」という塗り薬をしっかりと患部に塗り、炎症を抑えることが治療になります。

 二見いすず: わかりました。
では最後に、日常生活でできる予防法があれば教えていただけますか。


島田辰彦Dr: 原因となるアレルゲンとなるものを避けることが一番ですが、皮膚の病気に共通する予防法は、皮膚のバリアを壊さないようにすることです。
皮膚が荒れていたり、傷があったりすると、そこからアレルゲンとなる物質が入り込みやすくなりますから、なるべく保湿をしっかりするということが大事になります。

 二見いすず: やはり、日頃からスキンケアをしっかりしておくことが大切なのですね。
今月は5週にわたって「皮膚のアレルギー」をテーマにお話をお伺いしました。
鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。
島田さん、どうもありがとうございました。

島田辰彦Dr: どうもありがとうございました。