二見いすず: | 今月のドクタートークは「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターです。 島田さん、よろしくお願いいたします。 |
島田辰彦Dr: | はい。よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | これまで4週にわたり、皮膚アレルギーの種類や特徴などを伺ってまいりました。 最終週の今日は、皮膚アレルギーの診断や治療、そして予防法について教えていただけますか。 |
島田辰彦Dr: | はい。 皮膚の状態や患者さんのお話からアレルギーが疑われる場合、原因を追及する方法として検査があります。 「IgE抗体検査」という血液検査、そして「プリックテスト」または「パッチテスト」という皮膚テストです。 |
二見いすず: | それはどのような検査なのでしょうか? |
島田辰彦Dr: | はい。 IgE抗体検査は、血液中の抗体を調べることで即時型アレルギーの原因となるアレルゲンを見つける検査です。 |
二見いすず: | わかりました。 では、皮膚テストについても教えていただけますか。 |
島田辰彦Dr: | はい。 「プリックテスト」は即時型アレルギーに対して行われるもので、ごく少量のアレルゲンを皮膚に刺して15分後の反応を見て判定します。 一方、「パッチテスト」は遅延型アレルギーに対して行われます。 少量のアレルゲンを皮膚に貼って48時間、72時間後の反応を見るものです。 |
二見いすず: | じんましんなどの即時型アレルギーは「血液検査」と「プリックテスト」、接触皮膚炎などの遅延型アレルギーは「パッチテスト」でアレルゲンを特定していくということなんですね。 |
島田辰彦Dr: | はい、そうです。 アレルギー性疾患の場合、原因となる物質の摂取や接触を避けることが一番大切です。 それと同時に、いま出ている皮膚症状に対する治療を行なっていきます。 |
二見いすず: | それはどんな治療なのでしょうか? |
島田辰彦Dr: | じんましんの場合は、抗ヒスタミン剤という飲み薬を飲んでいただきます。 ヒスタミンというのは体内にあるアミノ酸の一種なんですが、アレルギー症状を引き起こす原因となるものです。 お薬でヒスタミンの作用を抑えることで、赤みやかゆみ、膨らみなどの症状がかなり改善されます。 |
二見いすず: | よくわかりました。 では、接触皮膚炎の治療はどうでしょうか? |
島田辰彦Dr: | 皮膚炎というのは、文字通り、皮膚が炎症を起こしている状態ですから、原因が何であれ、皮膚炎を治すには「ステロイド軟こう」という塗り薬をしっかりと患部に塗り、炎症を抑えることが治療になります。 |
二見いすず: | わかりました。 では最後に、日常生活でできる予防法があれば教えていただけますか。 |
島田辰彦Dr: | 原因となるアレルゲンとなるものを避けることが一番ですが、皮膚の病気に共通する予防法は、皮膚のバリアを壊さないようにすることです。 皮膚が荒れていたり、傷があったりすると、そこからアレルゲンとなる物質が入り込みやすくなりますから、なるべく保湿をしっかりするということが大事になります。 |
二見いすず: | やはり、日頃からスキンケアをしっかりしておくことが大切なのですね。 今月は5週にわたって「皮膚のアレルギー」をテーマにお話をお伺いしました。 鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。 島田さん、どうもありがとうございました。 |
島田辰彦Dr: | どうもありがとうございました。 |