2019.4.20 第833回放送分 『生活習慣病』3回目 ゲスト:西尾善彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターです。
西尾さん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。

西尾善彦Dr: はい。
よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今日は、生活習慣病の予防について詳しく教えていただけますでしょうか。

西尾善彦Dr: はい。
生活習慣病は、発症してから治療するよりも病気にならないための予防が何より重要です。
自分で生活習慣を改善していくことが予防につながります。

二見いすず: それぞれが自分の健康は自分で守るという意識を持つことですね。
では、日常生活でどんなことに気を付ければいいのでしょうか。

西尾善彦Dr: まず食生活ですが、人が1日に必要な総カロリーは体重の30倍と言われています。
体重50キロの人なら1500キロカロリーですね。
それ以上だと太るので、総カロリーを意識しながら食べるようにしましょう。

二見いすず: 自分の体重の30倍が1日に必要な総カロリーということですね。

西尾善彦Dr: はい。
次に大切なのが、飽和脂肪酸という内臓脂肪になりやすい脂を減らすことです。
常温では溶けないお肉の脂身などですね。
鹿児島県の人は、魚より肉を少し多くとり過ぎているというデータがあるので、今より週1回くらい魚を多めにするといいかもしれません。

二見いすず: お肉とお魚をバランスよく選ぶことが大切ですね。

西尾善彦Dr: その通りです。
また、塩分のとり過ぎは高血圧につながるので、要注意です。
特にラーメンなどのスープは塩分が多めなので、おいしくてもほどほどにしてください。

二見いすず: わかりました。気を付けましょう。

西尾善彦Dr: それから、ジュースやお菓子に多く含まれる砂糖や果糖は、血糖値を急激に上げてしまうので、できるだけ減らしましょう。
また、穀物をとるなら、白米よりも玄米や麦ごはん、芋類といった食物繊維の多いものがおすすめです。

二見いすず: 玄米や麦ごはんはよく噛んで食べるので、満腹感もありますよね。

西尾善彦Dr: 繊維質が多いものは食べ過ぎを防ぐ効果がありますし、糖や脂質の吸収をゆるやかにしたり、腸内細菌を善玉菌にしてくれるので、ぜひ毎日の食事に取り入れてほしいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
「食事の時は野菜から先に食べるといい」というお話も聞いたことがありますが…。

西尾善彦Dr: はい。
同じ食事内容でも、野菜から先に食べると脂肪になりにくいと言われているので、食べる順番に気を付けるのも大切です。

二見いすず: お店で定食を頼んだ時、野菜を先に食べるということなら、男性でも簡単にできそうですね。

西尾善彦Dr: はい、できることから始めてみてください。
それから今、問題視されているのが「高齢者のたんぱく質不足」です。
高齢者の食事にはたんぱく質が不足しがちなんですが、それによって筋肉量が減ると、血糖値が上がりやすくなるということがわかっています。
実は、高齢者の場合、食べ過ぎよりもたんぱく質不足が原因の糖尿病がとても多いのです。

二見いすず: 高齢の方は、たんぱく質不足が原因の糖尿病がとても多いのですね。
鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターでした。
西尾さん、どうもありがとうございました。

西尾善彦Dr: はい、ありがとうございました。