二見いすず：	今月のドクタートークは「救急医療」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島市立病院救命救急センターの��間 辰雄（たかま たつお）ドクターです。 ��間さん、よろしくお願いいたします。
��間辰雄Ｄｒ：	よろしくお願いします。
二見いすず：	前回、救急医療には重症度に応じて一次から三次までの区分があるというお話を伺いました。 ��間さんが勤務していらっしゃる鹿児島市立病院は、三次救急病院であると同時に、ドクターカーやドクターヘリの基地病院でもあるそうですね。
��間辰雄Ｄｒ：	はい。 鹿児島県では2011年にドクターヘリ、鹿児島市では2014年からドクターカー事業を開始し、鹿児島市立病院がその基地病院としての役割を担っています。 鹿児島市内はドクターカーで、それ以外の鹿児島県全域をドクターヘリでカバーしています。
二見いすず：	あらためてお尋ねしますが、ドクターカーやドクターヘリと救急車との一番の違いは何でしょうか？
��間辰雄Ｄｒ：	心筋梗塞や脳卒中、事故による重い外傷など、一刻を争うような重症例の場合、どれだけ早く治療を開始できるかが患者さんの命や予後に大きく関わります。 そこで、患者さんの到着を病院で待つのではなく、救命救急のスキルを持つ医師や看護師が現場に駆け付け、より迅速に医療行為を開始し、最適な医療機関に搬送するのがドクターカーやドクターヘリの役目です。
二見いすず：	それは大変心強いですね。 例えば、私たちのような一般の市民も直接、出動要請をすることができるのでしょうか？
��間辰雄Ｄｒ：	いえ、そうではありません。 一般的な救急車と同じように119通報してもらうと、症状や状況から緊急性を判断して、ドクターカーやドクターヘリが出動する仕組みです。 鹿児島県では、一刻を争うような重症例に対し、少しでも迅速な対応ができるように「キーワード方式」というものを採用しています。
二見いすず：	「キーワード方式」というのはどのようなものでしょうか？
��間辰雄Ｄｒ：	例えば、「胸が締め付けられるように痛い」「胸に重いものが乗っているようだ」というのは心筋梗塞のサインになります。 また、「ろれつが回らない」「片手だけ力が入らなくなった」というのは脳梗塞のサインです。 119番通報でこうしたキーワードが出た瞬間にコンピュータが自動認識し、ドクターカーやドクターヘリに出動要請されます。 このシステムのおかげで、鹿児島県のドクターヘリは119番通報から平均20分で現場に到着することができています。
二見いすず：	ドクターヘリは離島も多く、エリアが広い鹿児島県には大変ありがたい存在ですね。
��間辰雄Ｄｒ：	そうですね。 心筋梗塞や脳卒中などは、とにかく時間との勝負です。 鹿児島の方、特に高齢の方は我慢づよく、人に迷惑をかけていはいけないと思われる方が多いようですが、もし気になるサインが1つでもあったら、遠慮せず、すぐに119番通報していただければと思います。
二見いすず：	繰り返しますが、緊急性の高い場合はけっして遠慮せず、すぐに救急車を呼んでくださいとのことです。 お話は鹿児島市立病院の��間 辰雄（たかま たつお）ドクターでした。 ありがとうございました。
��間辰雄Ｄｒ：	ありがとうございました。