二見いすず：	今月のドクタートークは「救急医療」をテーマに,鹿児島市立病院救命救急センターの��間 辰雄（たかま たつお）ドクターにお話を伺っています。 ��間さん、よろしくお願いいたします。
��間辰雄Ｄｒ：	よろしくお願いします。
二見いすず：	今週は鹿児島県ならではの救急医療の特徴や課題についてお話していただけるとのことですね。
��間辰雄Ｄｒ：	はい。 ご存じのように、鹿児島県は南北約600キロにわたる広いエリアに離島や山間部などのへき地を抱えています。 迅速性が求められる救急医療にとって、様々な課題がある県と言えますね。 また、鹿児島市とそれ以外の地域との医療格差が大きいことも問題です。
二見いすず：	医療格差と言いますと、具体的にはどのようなことでしょうか？
��間辰雄Ｄｒ：	県内の主な医療施設は鹿児島市の中心部に集中しており、鹿児島県全体のベッド数の約4割が鹿児島市内にあります。実は鹿児島市は人口当たりの医師や看護師の数が全国でも多い方なんですよ。 一方、それ以外の地域には救急患者を総合的に診られる病院があまりなく、地方の重症患者さんは鹿児島市内の大きな病院に救急搬送するしかないというのが実情です。
二見いすず：	鹿児島市以外の地方の方は、必要な救急医療が受けにくいということですね。 それを解消する方法というのがあるのでしょうか？
��間辰雄Ｄｒ：	それぞれの地域に救命救急にも対応できる中核病院を整備することが理想ではありますが、地方の過疎化や医師不足などの様々な問題があって、すぐに実現するのは難しいと思います。 現時点では、こうした地域間の医療格差を埋める有効な手段の一つが前回お話したドクターヘリなんです。
二見いすず：	鹿児島県内は119番通報から平均20分ほどでヘリが到着するというお話でしたね。 どこのエリアでも、ドクターヘリの基地病院である鹿児島市立病院に患者さんを搬送するのですか？
��間辰雄Ｄｒ：	いえ。 基本的には患者さんの症状や医療機関側の受け入れ態勢などを考慮し、その時点で最適だと判断した病院に搬送します。 離島や県境近くにお住いの方の場合、入院や通院時のご本人やご家族の負担も配慮し、沖縄や熊本、宮崎など県外の病院へ搬送することも多々あります。 救急医療においては、県内の病院間はもちろん、隣県との連携も非常に大切なんですよ。
二見いすず：	なるほど。 ドクターヘリは、鹿児島県の地理的条件をカバーしたり、地域間の医療格差を埋めるという、とても大切な役割を担っているのですね。
��間辰雄Ｄｒ：	そうですね。 ドクターヘリの離発着に当たってはどうしても騒音や風の吹きおろしなどの問題があり、特に鹿児島市立病院周辺にお住いの方にはいつもご迷惑をおかけしていますが、ドクターヘリが鹿児島県民の命を守るために欠かせない存在だということをご理解いただき、ご協力いただければと思います。
二見いすず：	大変よくわかりました。 お話は鹿児島市立病院の��間 辰雄（たかま たつお）ドクターでした。 ありがとうございました。
��間辰雄Ｄｒ：	ありがとうございました。