2019.10.19 第859回放送分 『眼科疾患』3回目 ゲスト:鵜木一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「眼科疾患」をテーマにお送りしています。
お話いただくのは、鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのき かずひこ)ドクターです。
鵜木さん、よろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月は眼科疾患の中でも特に失明のリスクが高い「緑内障」について伺っておりますが、ほとんど自覚症状のない緑内障を早期に発見するには病院での検査が必要だというお話でしたね。

鵜木一彦Dr: はい。
これは非常に大切なことなのですけれども、緑内障によって障害を受けた視神経や網膜は治療を受けたとしても、元のように回復はしません。
これ以上視野が狭くならないように現状維持をしていくのが緑内障治療の基本です。
したがって、緑内障は少しでも早く発見し、治療を始めることが何よりも大切だということをご理解いただきたいと思います。

二見いすず: 緑内障は早期発見・早期治療が大切だと言うお話でした。
それでは、あらためて緑内障の検査について詳しく教えていただけますか。

鵜木一彦Dr: はい。
緑内障の場合、目の硬さを測る眼圧検査の他、眼底検査、隅角(ぐうかく)検査、視野検査などをします。
眼底検査では、眼底にある視神経や網膜に障害があるかどうかを確認します。
緑内障の種類を判断するために専用のコンタクトレンズを使って行なうのが隅角検査です。
さらに視野検査は視野に欠けている部分がないかを確認する検査です。
これらを総合的に判断して、緑内障の確定や病型の特定をします。

二見いすず: これらの検査はどこの眼科でも受けられるものでしょうか?

鵜木一彦Dr: はい。
「緑内障が心配だから検査を受けたい」と言って受診していただければ、どこの眼科でも受けられます。

二見いすず: わかりました。
緑内障は、自分から眼科を受診して初めて発見されることがほとんどなんでしょうか。

鵜木一彦Dr: いえ、必ずしもそうとは言えません。
人間ドックや健康診断を受けて緑内障が見つかるということもあります。
また、眼科でコンタクトレンズやメガネを作る時は、眼圧や眼底の検査もしますので、その際に緑内障の疑いがあるということを告げられる場合もあります。

二見いすず: なるほど。
人間ドックや健康診断の他、コンタクトなどを作る際にも緑内障が発見されることもあるということですね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
ただ、普段、健診などを受ける機会がない方は40歳を過ぎたら、ご自分で眼科を受診していただき、検査を受けていただけたらよいかと思います。

二見いすず: 緑内障を早期発見するためには毎年、検査を受けた方がいいのでしょうか?

鵜木一彦Dr: 緑内障は年単位でゆっくりと進行しますので、2〜3年に1度くらいでいいかと思います。
ただ、強度の近視がある方は進行が早いと言われていますので、もう少し短い期間で検査を受けていただく方がいいかもしれませんね。


二見いすず: わかりました。
いずれにしても、40歳を過ぎたら1度は検査を受けて、緑内障にかかっていないか、確認した方がよいというお話でした。
鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのき かずひこ)ドクターでした。
鵜木さん、ありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。