2019.11.23 第864回放送分 『虚血性心疾患』4回目 ゲスト:神田大輔ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「虚血性心疾患」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の神田大輔(かんだ だいすけ)ドクターです。
神田さん、今日もよろしくお願いいたします。

神田大輔Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 虚血性心疾患はいわゆる狭心症や心筋梗塞の総称ということで、主な症状や原因についてうかがってまいりました。
今週は検査についてお話していただけますか。

神田大輔Dr: はい。
まず虚血性心疾患の検査ですが、心電図検査、心エコー検査、血液検査、心筋シンチグラム、冠動脈CTやMRI検査、血管造影検査いわゆるカテーテル検査などを行なって、心筋の運動量や血流の量、病変の位置や状況などを細かく調べていきます。
ただ、狭心症の場合は安静時には発作が出ないことも多いので、
あえて運動などで負荷をかけ、狭心症発作を誘発させて検査を行う場合もあります。

二見いすず: 多方面からいろいろな検査を重ねて、より正確な診断を行うということですね。
職場などで定期健診などを受けていらっしゃる方も多いと思いますが、その時に虚血性心疾患が見つかることもあるのですか?

神田大輔Dr: 一般的な健康診断では心電図検査までしか行わないため、定期健診だけで発見するのは難しいと思います。
たいていの場合、何らかの自覚症状が出て、ご本人が「何かおかしい」とかかりつけの病院へ行かれて、そこからの紹介で精密検査を受けて病気がわかるというケースが多いようです。

二見いすず: 虚血性心疾患の検査はどこの病院でも受けられるのでしょうか?

神田大輔Dr: いえ。
心電図以外の検査は循環器の専門科で受けていただくことになります。
ですから、まずは定期健診などを受けていただき、生活習慣病や動脈硬化などの基礎疾患が見つかった方は念のため、精密検査を受けてみられるといいかもしれません。

二見いすず: よくわかりました。
ところで、心筋梗塞の場合、今まで何の自覚症状もなかった方がいきなり発症することもあるそうですが、そのような緊急の場合はどう対処したらいいのでしょうか?

神田大輔Dr: 安静にしても胸の痛みや圧迫感、呼吸困難などの症状が改善せず、むしろ強くなる場合は、遠慮せず、すぐに救急車を呼んでください。
すでに治療を受けられている方は、発作が起きたらまずはニトログリセリンの舌下錠やスプレー薬を使い、それでも冷汗が出るような苦しさが10分以上続く場合は迷わず救急車を呼んでいただきたいと思います。

二見いすず: 急性の心筋梗塞は一刻を争う場合も多いということですので、いつもとは明らかに違う症状があった時はくれぐれも我慢をせず、すぐに救急車を呼ぶか、できるだけ早く病院を受診してくださいとのことです。
虚血性心疾患の検査や緊急時の対応についてお話をうかがいました。
鹿児島県医師会の神田大輔(かんだだいすけ)ドクターでした。
ありがとうございました。

神田大輔Dr: ありがとうございました。