2019.11.30 第865回放送分 『虚血性心疾患』5回目 ゲスト:神田大輔ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「虚血性心疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の神田大輔(かんだ だいすけ)ドクターです。
神田さん、最終週の今日もよろしくお願いいたします。

神田大輔Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: さっそくですが、前回お話があったように、循環器の専門の科で精密検査を受けて狭心症あるいは心筋梗塞と診断された場合、どのような治療をするのでしょうか。

神田大輔Dr: 狭心症や心筋梗塞は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や喫煙などが原因となることがほとんどなのでまずは生活習慣を改善することが必要です。
同時に、そうした基礎疾患に対して内服薬での治療も行なっていきます。

二見いすず: まずは病気になった原因である生活習慣の見直しをするということですね。

神田大輔Dr: はい、そうです。
また、虚血性心疾患を発症した方は冠動脈の内側が狭くなり、血液の流れが悪くなっているので、抗血小板薬というお薬で血液をサラサラにし、血流を改善する治療を行ないます。
その上で、細い管や風船を用いて、狭くなっている冠動脈を広げるカテーテル治療や、場合によっては狭くなった冠動脈の先に他の大きな血管をつないで血流を増やすバイパス手術を行なうこともあります。

二見いすず: いずれにしても、お薬や手術などによって心臓への血流を増やす治療が行われるわけですね。

神田大輔Dr: はい、その通りです。

二見いすず: 急性心筋梗塞の場合は、自覚症状が出ないままいきなり発症することも多いというお話でしたが、どんな治療になるのでしょうか。

神田大輔Dr: 急性心筋梗塞は発症してしまうと、突然死を含めて、命に関わる危険性が非常に高いため、とにかく迅速な対応が求められます。
いくつかの検査で心筋梗塞だと確定、もしくは疑いがあると判明したら、カテーテル検査を行なって血管が詰まっている場所を特定し、その場でカテーテルに細い管を入れ、詰まっている血管を広げるカテーテル治療を行ないます。
急性心筋梗塞は、いかに早く治療を始めるかが予後を左右するので、患者さんやご家族も、心筋梗塞の疑いがある時は、一刻も早く医療機関を受診してください。

二見いすず: 大変よくわかりました。
最後に、私たち自身でできる予防法があれば、教えていただけますか。
大変よくわかりました。
最後に、私たち自身でできる予防法があれば、教えていただけますか。
神田大輔Dr: はい。
虚血性心疾患は、主に冠動脈の動脈硬化によって引き起こされる病気です。
生活習慣病にならないようライフスタイルの改善が重要ですので、
カロリーや塩分のとり過ぎに気を付け、適度な運動を習慣づけてください。
喫煙は様々な病気の原因になるので、避けていただければと思います。
さらに健診などを定期的に受け、早期発見につなげることも大切です。
二見いすず: 生活習慣病を予防することが、虚血性心疾患の予防にもなるということですね。
5週にわたり、鹿児島県医師会の神田大輔(かんだだいすけ)ドクターに
虚血性心疾患について貴重なお話をうかがいました。
神田さん、ありがとうございました。か。

神田大輔Dr: ありがとうございました。