2019.12.7 第866回放送分 『インフルエンザ』1回目 ゲスト:南武嗣ドクター



二見いすず: 12月になりました。
今月のドクタートークは「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の南 武嗣(みなみ たけつぐ)ドクターです。
南さん、よろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 12月ともなりますと、いよいよ寒さが本格化してきて、インフルエンザの流行が心配される時期ですね。
あらためて、インフルエンザとはどのような病気なのでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。
咳や鼻水、喉の痛みといった風邪のような症状の他、38度以上の急な発熱、頭痛や関節痛、筋肉痛、倦怠感など全身に強い症状が現れます。
また、感染力が強く、短期間に流行が拡大するのが特徴です。

二見いすず: 今年は例年に比べてインフルエンザの流行が早かったそうですね。

南武嗣Dr: はい。
今シーズンは例年よりもインフルエンザの発生が早く、沖縄での流行をきっかけに、夏頃から全国的にも流行が始まりました。
夏休み明けから各地で学級閉鎖が相次ぎまして鹿児島県でも9月の終わり頃には学級閉鎖の報告が挙がっています。

二見いすず: インフルエンザは寒くて、空気が乾燥する時期に流行するという印象がありますが、必ずしもそうとは言い切れないのですね。

南武嗣Dr: そうですね。
皆さん、あまりご存じないかもしれませんが、インフルエンザは1年を通して世界中で発生していて、日本を含む北半球では11月から3月、南半球では4月から9月にかけて流行します。
東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地方では雨季である7月から9月頃にピークを迎えることが多いようです。
沖縄は気候的には東南アジアに近いので、夏場に流行が始まっても不思議ではないのかもしれませんね。

二見いすず: そうなのですね。
ところで、インフルエンザウイルスにはいくつかの型があるんですよね?

南武嗣Dr: はい。
季節性のインフルエンザウイルスには大きく分けてA型が2種類とB型が2種類、合わせて4つの型があります。
どのタイプが流行するかはシーズンごとに異なりますし、複数のタイプのインフルエンザが同時に流行することもあります。

二見いすず: では、インフルエンザを予防するにはどうすればいいのでしょうか。

南武嗣Dr: 1番予防効果が高いのは、やはりワクチンの接種ですね。
私たちの身体には一度かかった感染症にはもうかからない、あるいは、感染しても重症化しなくなる、「免疫」という働きがありますが、ウイルスの毒性を弱めたものを注射などで体内に入れて、人為的に免疫を作るのがワクチンの仕組みです。


二見いすず: ワクチンを接種することにより、自分の体内に免疫を作って、インフルエンザにかかりにくくしたり、重症化を防いだりできるということですね。
次週はインフルエンザワクチンについてさらに詳しく教えていただきます。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、どうもありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。