2019.12.21 第868回放送分 『インフルエンザ』3回目 ゲスト:南武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「インフルエンザ」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみ たけつぐ)ドクターです。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: はい。
よろしくお願いします。

二見いすず: 先週はインフルエンザワクチン接種の重要性について伺いました。
では、ワクチンさえ打っていれば、そのシーズンのインフルエンザに対してはある程度、予防ができるということでしょうか。

南武嗣Dr: ワクチンはシーズンごとに流行しそうなウイルスの型を予測して作られます。
その予測が当たれば、予防効果は非常に高いのですが、あくまでも予測ですから、外れることもあるわけです。
また、ウイルスの方も生き延びていくために、時間が経つと少しずつマイナーチェンジをしていくので、シーズンの最初に打ったワクチンがだんだん効かなくなることもあります。

二見いすず: そういう場合はワクチンを打っていても、効果がないということですか?

南武嗣Dr: いえ、全く効果がないわけではありません。
たとえ型が違っても、ウイルスの基本的な部分は同じですから、ワクチンを接種することでインフルエンザに対する基本的な免疫ができます。
ですから、予測と違う型のウイルスが流行したり、ウイルスがマイナーチェンジしたとしても、ワクチンを打っていれば重症化や死亡を防ぐという意味では効果があるのです。
特にインフルエンザの免疫を全く持っていない赤ちゃんなどには やはり有効だと言われています。

二見いすず: 大変よくわかりました。
ワクチン以外で私たちにできる予防法があれば教えていただけますか?

南武嗣Dr: はい。
自分でできる予防法として効果があるのはこまめな手洗いとマスクの着用です。

二見いすず: 手洗いとマスクですか?
昔からインフルエンザ予防には「手洗い・うがい」と言われてきたと思いますが・・・。

南武嗣Dr: 実は、近年、うがいにはインフルエンザの予防効果があまりないことがわかってきました。
現在では、うがいよりもこまめに水を飲む方が効果的だと言われています。
水を飲むと口に入ったウイルスが胃に落ち、強い胃酸によってウイルスの働きを弱めることができるからです。

二見いすず: よくわかりました。

南武嗣Dr: それから、マスクについてですが、インフルエンザウイルスは口よりも鼻から感染することが多いので、ウイルスの付着した手で鼻を触らないためにも、マスクの着用は効果的です。

二見いすず: こまめな手洗いと水分補給、マスクの着用がインフルエンザ予防の新常識というわけですね。

南武嗣Dr: はい。
ウイルスを付着させないためには、手指のアルコール消毒も有効です。
そして、十分な睡眠と栄養補給、ストレスをためない生活をして、少しでも免疫力を挙げるように心がけていただければと思います。


二見いすず: 大変よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、どうもありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。