2020.2.1 第874回放送分 『アレルギー性鼻炎』1回目 ゲスト:松永信也ドクター



二見いすず: 2月になりました。
今月のドクタートークは「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りします。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつなが しんや)ドクターです。
松永さん、よろしくお願いいたします。

松永信也Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: さっそくですが、アレルギー性鼻炎とはどのような病気なのでしょうか。

松永信也Dr: それではまず、アレルギーについて簡単にお話したいと思います。
私たちの身体には細菌やウイルスなどの有害な異物が入ってきた時にそれを攻撃して排除する、「免疫」という働きがあります。
アレルギーとは、本来は身体を守るための免疫が、異常な働きをして自分自身を障害してしまう状態です。

二見いすず: アレルギーは免疫の異常反応ということなのですね。

松永信也Dr: はい、その通りです。
アレルギー性鼻炎というのは、もともとアレルギー体質を持っている人が鼻の粘膜に入っていた特定の異物に対して過剰な反応を起こし、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった鼻炎の症状が起こる病気です。

二見いすず: アレルギー体質と言いますと、遺伝的な要素が高いということですか?

松永信也Dr: はい。
アレルギー性鼻炎は、遺伝的な体質が大きく関わる病気です。
親がアレルギー性鼻炎だと子どももアレルギー性鼻炎を発症する事が多いです。

二見いすず: では、アレルギー体質の人は、誰でもアレルギー性鼻炎になるのでしょうか?

松永信也Dr: いえ、遺伝的にアレルギー体質を受け継いでいたとしても原因となる物質に触れなければ、アレルギー性鼻炎を発症することはありません。

二見いすず: では、アレルギー性鼻炎の原因となる物質にはどんなものがありますか?

松永信也Dr: 皆さんもよくご存じなのは、「スギ花粉」ではないでしょうか。
スギ花粉が原因のアレルギー性鼻炎がスギ花粉症と呼ばれます。
私のクリニックでも、2月3月はスギ花粉症の患者さんが急増します。


二見いすず: 鹿児島ではいつ頃からスギ花粉が飛び始めるのですか?

松永信也Dr: 鹿児島では例年、2月10日頃から花粉が飛び始めますが、今年は、1月下旬からもう症状が出ている方がいらっしゃいます。
アレルギー性鼻炎の原因物質は他にもいろいろありますが、そのお話は次回に譲るとして今回は花粉症の方にぜひ知っておいていただきたいことを先にお話したいと思います。


二見いすず: それはどういうことでしょうか?

松永信也Dr: はい。
花粉が飛ぶ1週間くらい前から治療薬を服用しておくと花粉が本格的に飛散する時期の症状が軽くてすむ、ということです。
ただ、最近では、症状が出始めたら直ちに薬を使うというやり方でも同じくらい効果があると言われています。


二見いすず: 花粉症の場合、前もってお薬を飲んでおくか、もしくは症状が出始めたらすぐにお薬を飲むことで、アレルギー症状を軽減させる効果があるということですね。

松永信也Dr: はい。
その通りです。
繰り返しますが、鹿児島では例年、2月10日頃からスギ花粉が飛び始めますので、もう今の時点で病院を受診して薬の服用を始めて良いと思います。


二見いすず: 大変よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつながしんや)ドクターでした。
ありがとうございました。

松永信也Dr: ありがとうございました。