2020.2.8 第875回放送分 『アレルギー性鼻炎』2回目 ゲスト:松永信也ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつなが しんや)ドクターです。
松永さん、よろしくお願いいたします。

松永信也Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週、アレルギー性鼻炎というのは、遺伝的にアレルギー体質を持っている人が、ある特定の原因物質に対して過剰な免疫反応を起こし、くしゃみや鼻水、鼻詰まりといった鼻炎の症状を引き起こすものだというお話を伺いました。
原因物質として、今の時期はスギ花粉が多いとのことでしたがそれ以外にはどんなものがありますか?

松永信也Dr: それ以外で最も多いのが、家のホコリ、つまりハウスダストです。
ハウスダストの中のダニの排せつ物や死がいがアレルギーの原因となります。
その他には、カビ、ペット動物のふけ、そしてヒノキ、ブタクサ、ヨモギなどの植物の花粉が主な原因物質です。
こうしたアレルギーの原因となる物質はアレルゲンと呼ばれます。

二見いすず: どれも私たちの身近にあるものばかりですね。

松永信也Dr: そうですね。
アレルギー性鼻炎は、大きく「季節性」と「通年性」に分けられます。
季節性のアレルギー性鼻炎というのは、ある季節にだけ症状がでるタイプの鼻炎で、そのアレルゲンはほとんど花粉です。
一方、通年性のアレルギー性鼻炎は、1年を通して症状が出るタイプで、ハウスダスト・カビ・動物のふけなどがそのアレルゲンです。

二見いすず: 季節性のものは花粉、通年性のものはホコリやダニなどのハウスダストが主な原因ということですね。
季節性と通年性では、アレルギー症状に何か違いがありますか?

松永信也Dr: 鼻の症状はほぼ同じです。
いずれの鼻炎もくしゃみ、鼻水、鼻詰まりが主な症状です。
ただ、スギ花粉症は他のアレルギー性鼻炎に比べて、鼻の症状がひどくなったり、目のかゆみやのどの痛みが出る事も多く、また、顔の皮膚が赤くなったり、かゆくなったりすることもあります。

二見いすず: 花粉症は、花粉が飛ぶ時期だけのことといっても症状が激しいので、ご本人は大変つらいでしょうね。

松永信也Dr: アレルギーというのは、原因物質がなければ症状が出ることはありません。
ですから、薬を使うだけではなく、花粉との接触を減らす事もとても
大事です。

二見いすず: 具体的にはどんなことをすればいいのでしょうか?

松永信也Dr: まず、皆さんご存じと思いますが、外出する際は、鼻や目に花粉が付かないように、マスクやメガネをするといいですね。
外から帰ってきた時は衣服や髪についた花粉を払ってから家に入ってください。
服は、花粉がくっつきにくい表面の凹凸の少ない服がお勧めです。
洗濯物や布団はこの時期は外に干さないようにしましょう。
テレビやスマホでの花粉の飛散予報も参考にして、花粉が多い時はできるなら外出を控える事も考えて下さい。


二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつながしんや)ドクターでした。
ありがとうございました。

松永信也Dr: ありがとうございました。