2020.2.15 第876回放送分 『アレルギー性鼻炎』3回目 ゲスト:松永信也ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつなが しんや)ドクターです。
松永さん、よろしくお願いいたします。

松永信也Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 前回、アレルギー性鼻炎には、スギ花粉などが原因となる季節性のもの、いわゆる花粉症と主にハウスダストが原因の通年性のものがあるというお話を伺いました。

松永信也Dr: はい。
全国的にみると、鹿児島はスギ花粉の飛散量が少ない方だと言われています。
私も、鹿児島には花粉症の方よりハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎の方が多いという印象を持っています。

二見いすず: そうなのですね。
では、今回は通年性のアレルギー性鼻炎について詳しくお話していただけますか。

松永信也Dr: はい。
前回もお話したように、通年性のアレルギー性鼻炎は、ハウスダスト、動物のふけ、カビなどが原因となって発症します。
これらの物質は、花粉と違って、1年中、身の周りにあるので、鼻が詰まったり、グズグズしたりという症状が年中出るのが特徴です。

二見いすず: 花粉症のような激しい症状ではないけれども、鼻炎の症状が出続けるということですね。
1年中、同じような状態が続くのでしょうか?

松永信也Dr: いえ、通年性といっても1年中症状が同じ程度というわけではありません。
鼻の粘膜の分泌や血流をコントロールしているのは自律神経なので、自律神経が乱れがちな季節の変わり目には鼻炎の症状がひどくなる方が多いですね。
また、アレルギー性鼻炎の方は鼻の粘膜が敏感になっているので、秋口には気温の変化が刺激となり、症状が出やすいという面もあります。
さらに、アレルゲンとなるダニの死骸の量は秋口に増えるという事もあり、症状が出やすくなります。

二見いすず: なるほど。
季節の変わり目は特に注意が必要ということですね。

松永信也Dr: その通りです。
それから、アレルギー性鼻炎を持っている人が風邪をひくと普通の人よりも治りにくく、鼻の症状が長引いてしまう事もあります。
普段からお薬などを服用して鼻の粘膜の状態を整えておくと風邪をひいた時もあまりこじらせなくてすむようです。

二見いすず: そうなのですね。
ただ、アレルギー性鼻炎は風邪の症状ともよく似ていますので症状が出た時も、どちらが原因なのか区別が難しそうですね。

松永信也Dr: はい。
風邪の初期の鼻症状は、アレルギー性鼻炎の症状と区別できない時もありますが、アレルギーの症状は風邪より長く続きます。
鼻の症状が長引いている場合は是非一度、耳鼻科を受診してください。


二見いすず: 大変よくわかりました。
通年性のアレルギー性鼻炎は、季節の変わり目や風邪をひきやすい時期は特に注意が必要とのことです。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつながしんや)ドクターでした。
ありがとうございました。

松永信也Dr: ありがとうございました。