2020.2.22 第877回放送分 『アレルギー性鼻炎』4回目 ゲスト:松永信也ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の松永 信也(まつなが しんや)ドクターです。
松永さん、よろしくお願いいたします。

松永信也Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 3週にわたり、アレルギー性鼻炎について様々なお話を伺ってまいりましたが今回は検査と治療について教えていただけますでしょうか。

松永信也Dr: はい。
まず、鼻の中をのぞいて鼻の粘膜や鼻水の状態をみる検査と、アレルギー鼻炎の時に鼻汁内に増える好酸球という細胞の有無を確かめる検査を行います。
次に、血液検査あるいは皮膚テストによってアレルギーの原因物質を探ります。
これらの検査によって、アレルギー性鼻炎かどうかの確定をします。

二見いすず: よくわかりました。
では、次にアレルギー性鼻炎の治療についてもお話いただけますか?

松永信也Dr: はい。
現在、病院で行われている治療には主に薬物療法、手術、免疫療法の3つがありまして、患者さんの症状や置かれている状況、ご希望などに応じて治療法を選択しています。

二見いすず: アレルギー性鼻炎の治療には、大きく分けると薬物療法、手術、免疫療法の3つの方法があるということですね。

松永信也Dr: はい。
その中でも、治療の中心となるのは薬物療法です。
飲み薬や点鼻薬などによってアレルギー症状を抑えます。
くしゃみや鼻水に効果がある抗ヒスタミン薬や主に鼻詰まりに効果がある抗ロイコトリエン薬、どの症状にも比較的効果が高い点鼻ステロイド薬などがよく使われます。

二見いすず: 内服薬や点鼻薬を使って、それぞれの症状をコントロールしていくわけですね。
薬物療法に対して、患者さんが気を付けることはありますか?

松永信也Dr: 薬物療法は根本的な治療ではなく、症状を一時的に抑える対症療法です。
症状がおさまったからといってすぐ薬を止めると、また症状が出る事が多いです。
症状がおさまってもしばらくお薬を続けて、鼻の状態を整えてから、お薬を減量したり、やめたりすることをお勧めします。

二見いすず: では、手術療法についても教えていただけますか?

松永信也Dr: はい。
手術治療にもいくつかの方法がありますが、クリニックでよく行われるのは、鼻粘膜の表面をレーザーや高周波で焼くという手術で、特に鼻詰まりの症状に効果があります。
痛みや出血が少ないため、日帰り手術が可能です。


二見いすず: 手術を受けると、アレルギー性鼻炎が完治するということでしょうか?

松永信也Dr: 残念ながら、手術で完治させることはできません。
個人差はありますが、手術を受けると半年から2年くらいは症状の軽減が期待できます。


二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の松永 信也(まつながしんや)ドクターでした。
ありがとうございました。

松永信也Dr: ありがとうございました。