二見いすず：	3月になりました。 今月のドクタートークは、「高血圧」をテーマにお送りします。 お話は鹿児島県医師会の赤�ｱ 雄一（あかさき ゆういち）ドクターです。 赤�ｱさん、よろしくお願いいたします。
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	よろしくお願いします。
二見いすず：	「高血圧」というのは、一般の方の間でもよく使われている言葉ですが、内容まできちんと理解されている方はそれほど多くはないのではないでしょうか。 そこでまず、「血圧」とは何なのかを、わかりやすく教えていただけますでしょうか？
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	はい。 私たちの身体は、血管の中を流れる血液が体の隅々にまで酸素や栄養を届けてくれることにより、生命の維持ができています。 心臓がポンプのような働きをして、血液を全身に送り出しているのですが、心臓から血液が送り出される際に血管の内側の壁にかかる圧力のことを血圧といいます。
二見いすず：	よくわかりました。 ところで、「上の血圧」とか「下の血圧」という言い方をよく耳にしますが、これはどういう意味なのでしょうか？
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	先ほど、心臓はポンプのように伸び縮みして全身に血液を送り出していると言いましたが、心臓.が収縮して血液を押し出す時、血管に一番強い圧力がかかります。 これが収縮期血圧、いわゆる「上の血圧」と言われるものです。 一方、収縮した心臓が戻るように広がる時は、血管にかかる圧力が一番弱くなります。これが拡張期血圧、いわゆる「下の血圧」です。
二見いすず：	血管にかかる圧力が一番強い時を「上の血圧」、一番圧力が弱い時を「下の血圧」というのですね。 では、改めまして「高血圧」というのはどういう状態を指すのでしょうか？
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	簡単に言いますと、高血圧とは何らかの理由によって血管にかかる圧力が強くなり過ぎている状態のことです。 先ほどお話した「上の血圧」あるいは「下の血圧」が基準値よりも高くなり、それが持続している状態のことを指します。
二見いすず：	では、高血圧の基準値というのは、どれくらいなのですか？
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	高血圧の基準値は、上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHgです。 上の血圧と下の血圧のどちらか、あるいは両方がこの基準値を上回ると、高血圧と診断されます。
二見いすず：	血圧がその基準値を超えなければ、特に問題がないということでしょうか？
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	いえ、そうではありません。 昨年、高血圧治療のガイドラインが改訂され上の血圧が120mmHg、下の血圧が80mmHgをまったくの正常値として、そこを目指して治療をするべきという考え方が強調されるようになりました。
二見いすず：	上が140mmHg、下が90mmHgという高血圧の基準値と比べると ずいぶん低いですね。
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	はい。 実際の治療の対象となるのは、高血圧の基準値を超えてからなのですが、正常値よりも血圧が高くなった時点で徐々に高血圧になるリスクも高まります。
二見いすず：	正常値を超えていれば、高血圧の予備軍というわけですね。
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	はい。 将来、高血圧になるリスクを防ぐためにもこの段階からしっかりと生活習慣の改善に取り組んでいただくことが大切です。
二見いすず：	大変よくわかりました。 お話は鹿児島県医師会の赤�ｱ雄一（あかさき ゆういち）ドクターでした。 ありがとうございました。
赤�ｱ雄一Ｄｒ：	ありがとうございました。