2020.5.30 第891回放送分 『食中毒』5回目 ゲスト:川村 英樹ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「食中毒」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の川村 英樹(かわむら ひでき)ドクターです。
川村さん最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。

川村英樹Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週まで食中毒の予防についてお話しを伺ってまいりましたが、家庭ではどんなことに気をつければいいのでしょうか。

川村英樹Dr: まずは手洗いをしっかりすることです。
今は新型コロナウイルスの影響で、どのご家庭でも普段以上に手洗いを徹底されていると思いますが、帰宅時、トイレのあと、食事の前など、こまめにそして丁寧に手を洗うことを心がけてください。

二見いすず: 分かりました。
もし、家族の中の誰かが食中毒になってしまったら、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

川村英樹Dr: 他の家族に二次感染させないことが大切です。
嘔吐物を処理するときは、マスクやビニール手袋、薄めた次亜塩素酸ナトリウム消毒液とペーパータオル等を使って浸すように床を拭き取り、その後水拭きをしてください。
拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。
ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、乾燥しないうちに速やかに処理し、処理した後は十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
あと、トイレの消毒もこまめにするようにしてください。

二見いすず: 今マスクや消毒液は不足気味ですが、食中毒の予防にもこれは必要なものですね。

川村英樹Dr: そうですね。
嘔吐物の処理の際も、ぜひ使っていただきたいと思います。

二見いすず: その他にも何か気をつけることはありますか。

川村英樹Dr: はい。
家族で同じタオルは使わずに、個人ごとに分けるようにしてください。
あと入浴の際は湯船にはつからず、シャワーで済ませることをおすすめします。

二見いすず: 家族で共有しないで済むところは、なるべく分けて使う方がいいということですね?

川村英樹Dr: はい、おっしゃるとおりです。

二見いすず: 家庭で気をつけるポイントをまとめますと、手洗いの徹底、嘔吐物の正しい処理、トイレのこまめな消毒、家族でタオルは分ける。
以上が大切とのことでした。

川村英樹Dr: はい、そうです。

二見いすず: あと、第1週の放送でもお伝えしましたが、食中毒予防の3原則は、「つけない」「増やさない」「やっつける」でしたね。

川村英樹Dr: そのとおりです。
みなさんもしっかり覚えて、十分にお気をつけください。

二見いすず: これから梅雨、そして夏にかけて、食中毒の危険性が高まりますが、ご家庭でできる対策はしっかりとして、予防につとめて頂きたいと思います。
今月は5週にわたり、食中毒について、鹿児島県医師会の川村英樹ドクターに貴重なお話をお伺いしました。
どうもありがとうございました。

川村英樹Dr: ありがとうございました。