2020.6.6 第892回放送分 『熱中症』1回目 ゲスト:新山 修平ドクター


二見いすず: 今月6月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の新山 修平(にいやま しゅうへい)ドクターです。
新山さんどうぞよろしくお願いいたします。

新山修平Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 熱中症と言いますと、猛暑日が続く8月に発症するイメージですが、この時期から気をつけた方がいいのでしょうか?

新山修平Dr: はい。
確かに8月も多いのですが、本格的に暑くなる前の、梅雨から梅雨明けすぐの頃にかけても注意が必要です。

二見いすず: それはどうしてでしょうか?

新山修平Dr: この時期は湿度が高いですし、まだ暑さに体が慣れていないのに、つい油断して運動や作業をしつづけてしまった結果、熱中症になるという人が多いからです。

二見いすず: そうなんですね。
救急車で運ばれる方も多いのでしょうか?

新山修平Dr: はい、おっしゃる通りです。
人口10万人あたりの熱中症による救急搬送状況ですが、去年2019年は、鹿児島県は全国2位でした。
ちなみに2017年は全国1位なので、全国的にみてもやはり多いです。

二見いすず: それは十分に気をつけないといけませんね。
特に屋外での作業やスポーツには、気をつけたいですね。

新山修平Dr: そうですね。
屋外はもちろんなのですが、実は屋外よりも気をつけるべきは、自宅にいるときなんです。
昨年、鹿児島市で熱中症で救急搬送されたうち、発生場所として最も多かったのが住居で35%、次に屋外が17%、道路が15%という順になっています。

二見いすず: ご自宅にいて熱中症になる方が随分いらっしゃるんですね。

新山修平Dr: はい。
ゴールデンウィークの頃に比べるとステイホームもだいぶ緩和されてきたとはいえ、やはり今年は新型コロナウイルスの影響で、去年より自宅で過ごされる傾向にあると思うので、ご自宅での熱中症対策はしっかりしていただきたいです。

二見いすず: 自宅で熱中症になる場合、比較的、就寝中が多いと聞きますが・・・?

新山修平Dr: 自宅での発生場所で最も多いのは、リビングで40%、寝室は30%となっています。

二見いすず: ということは、就寝中に限らず気をつけた方がいいということですね。

新山修平Dr: そうですね。
最後にもう一つ、新型コロナウイルスに関する注意点です。
今年はマスクをする機会が多いですが、マスクを着用すると余計に蒸し暑く感じます。
今年は例年以上に熱中症対策を念頭に入れて行動するよう心がけていただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
この夏は、新型コロナウイルス対策と同時に、熱中症対策もしっかり行うことが大切とのことです。
今月は熱中症をテーマにお送りしてまいります。
来週以降もよろしくお願いいたします。
お話は鹿児島県医師会の新山修平ドクターでした。
ありがとうございました。

新山修平Dr: ありがとうございました。