2020.6.13 第893回放送分 『熱中症』2回目 ゲスト:新山 修平ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の新山 修平(にいやま しゅうへい)ドクターです。
新山さん今週もどうぞよろしくお願いいたします。

新山修平Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は、鹿児島県は全国の中でも熱中症で救急搬送される方が多いとお伝えしましたが、救急搬送される方は、どのような世代が多いのでしょうか?

新山修平Dr: 最も多いのは高齢者でおよそ50%を占めます。
次に成人が34%、次いで10代や少年が12%、乳幼児が0.9%です。
割合で見ると乳幼児は少ないですが、重症化しやすいので、高齢者と同様、乳幼児も十分に注意していただきたいです。
また、重症化しやすいという点では、持病のある方も十分に気をつけていただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
では、それぞれの世代別で気をつけるべきポイントを教えていただけますか。

新山修平Dr: はい。
まず高齢者ですが、加齢により自律神経機能が低下していて、暑さを感じにくくなっています。
さらに体温調節機能も低下するため、室内でも熱中症になる割合が高いです。

二見いすず: どうすれば高齢者の熱中症を予防することができるのでしょうか?

新山修平Dr: 暑さを感じにくくなっているので、ご自身の感覚に頼らず、温度計や湿度計を見て「数値」で確認し、エアコンを上手に使ってください。
また、こまめな水分補給も大切です。

二見いすず: 分かりました。
次に、屋外で作業される方やスポーツをする子どもたちの予防についても教えてください。

新山修平Dr: まずは事前に十分な睡眠、栄養、水分補給をとることが大切です。
その上で、屋外での作業やスポーツをする際は、適度な水分と塩分の補給を行い、こまめに休憩をとるようにしましょう。

二見いすず: 「まだ若くて元気だから」とご自身の体力を過信せず、気をつけていただきたいですね。
最後に乳幼児の予防についても教えてください。

新山修平Dr: はい。
乳幼児は体温調節機能がまだ未発達で、体に熱がこもりやすく体温が上昇しやすいです。
また、自律神経の機能も未発達なので、汗をかくと体から多くの水分が出ていくため、脱水症状になりやすいです。
水分の多い食事や定期的な水分補給を心がけてください。

二見いすず: 乳幼児は自分の言葉で症状を伝えることができないので、親や周りの大人たちが十分に気をつけてあげることが大切ですね。

新山修平Dr: そうですね。
あと外出時も注意が必要です。
乳幼児は背が低く、またベビーカーの場合でも、地面に近い環境で過ごすことが多いです。
大人よりもアスファルトの熱を受けやすいので、その点は気をつけてください。


二見いすず: 分かりました。
お話は新山修平ドクターでした。ありがとうございました。

新山修平Dr: ありがとうございました。