2020.6.20 第894回放送分 『熱中症』3回目 ゲスト:新山 修平ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の新山 修平(にいやま しゅうへい)ドクターです。
新山さん今週もどうぞよろしくお願いいたします。

新山修平Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は、主に高齢者や乳幼児の熱中症対策についてお伝えしました。
高齢者は自律神経機能や体温調節機能が低下しているため、暑さを感じにくかったり、室内でも熱中症になったりするケースが多いとのことでした。
それでは、実際に熱中症になると、どのような症状が見受けられるのでしょうか。

新山修平Dr: 熱中症の症状は軽症から重症まであるので、それぞれで変わってきます。

二見いすず: それではまず、軽症の場合から教えてください。

新山修平Dr: はい。
軽症ですと、めまいや立ちくらみ、大量の発汗、筋肉のこわばりなどの症状が出ます。
また、尿が出にくくなるため、「いつもよりトイレの回数が少ないとか、尿の色が濃いとか」と感じたら、脱水症状のおそれがあるので気をつけるようにしてください。

二見いすず: そうなんですね。
もう少し状態が悪くなると、どのような症状が出るのでしょうか。

新山修平Dr: 頭痛や吐き気、嘔吐、あと体がぐったりして、力が入らなくなります。
さらに重症になると、意識障害、痙攣、まっすぐ歩けない、体温が高いなどの症状が出てきます。

二見いすず: 随分深刻ですね。
一人ひとりが気をつけるのが一番ですが、それでも熱中症になってしまった場合の応急処置は、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

新山修平Dr: 本人に意識があるような軽症の場合は、涼しい場所で衣類をゆるめて、体の熱を逃してください。
さらに首、わきの下、足の付け根などを冷やしてください。

二見いすず: 分かりました。
水分補給はどのようにしたらいいでしょうか。

新山修平Dr: 普通の水でもいいですが、できることなら水分と同時に失われたミネラルを補うため、塩分と糖分がバランスよく入った、経口補水液を飲むことをおすすめします。

二見いすず: 夏場は、普段から職場やご家庭で常備していると安心ですね。

新山修平Dr: そうですね。
あと事前の対策として、一人でいるときは、携帯電話を肌身離さず持ち歩くことも大切かと思います。


二見いすず: 周りに誰もいないと、具合が悪くなったときに対処できないので、確かに携帯電話を持ち歩くのは大切ですね。

新山修平Dr: はい。
特に屋外で農作業や建設業に携わっている方などは、十分に注意していただきたいです。
あと、これは世代を問わずですが、喉が乾いてから水分補給をするのではなく、喉が乾く前にこまめに水分を摂るようにしてください。


二見いすず: 周分かりました。
お話は新山修平ドクターでした。ありがとうございました。

新山修平Dr: ありがとうございました。