2020.6.27 第895回放送分 『熱中症』4回目 ゲスト:新山 修平ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の新山 修平(にいやま しゅうへい)ドクターです。
新山さん最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。

新山修平Dr: よろしくお願いします。
今週は、過去3週分をもう一度振り返って、大切なポイントをお伝えしたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
まず鹿児島は、全国的にみても熱中症で救急搬送される方が多いとのことでしたね。

新山修平Dr: そうですね。
屋外で作業やスポーツをされる方はもちろんですが、自宅で熱中症になる方も非常に多いので、十分に気をつけていただきたいです。
ちなみにマンションで比較すると、1階に比べて最上階は重症度が高くなるというデータがあります。

二見いすず: これは太陽の照り返しで、最上階の方が室内の気温が高くなるからということでしょうか。

新山修平Dr: おそらくそうだと思います。
そういったことからも最上階に住んでいらっしゃる方は特に注意していただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
あと今年は新型コロナウイルスの影響でマスクを着用しているため、さらに注意が必要とのことでした。

新山修平Dr: はい。
マスクを着けていると、冷たい空気が肺に届きにくく、息が荒くなり、体に熱がこもりやすくなります。
多くの方にとって、これまで経験したことのない夏の環境になると思います。
みなさん、例年以上に意識して熱中症対策を心がけるようにしてください。

二見いすず: はい。
真夏にマスクを着けるのは本当にきついと思いますが、こまめに水分を摂るなどして対策をしたいものです。

新山修平Dr: そうですね。
喉が乾いてから水分補給をするのではなく、喉が渇く前にしていただきたいです。

二見いすず: ところで、熱中症の患者さんを世代別でみると、高齢者や乳幼児が重症化しやすいというお話もありました。

新山修平Dr: はい。
高齢者は暑さを感じにくくなっています。
「暑いな」と思わなくても、必ず温度計や湿度計を見て確認し、エアコンを活用するようにしてください。
乳幼児は、脱水症状になりやすいので、水分の多い食事や定期的な水分補給を心がけてください。

二見いすず: 乳幼児は、外出時でも特に注意が必要でしたよね。

新山修平Dr: そうですね。
身長が低いですし、ベビーカーもアスファルトから近いため熱を受けやすいです。大人より暑いことを認識した上で対策をとりましょう。


二見いすず: 7月ももうすぐです。
夏本番はもちろん、蒸し暑くなる今の時期からしっかり熱中症対策をして暑い夏を乗り切っていただきたいと思います。
今月は4週にわたり、熱中症について、鹿児島県医師会の新山修平ドクターに貴重なお話をお伺いしました。どうもありがとうございました。

新山修平Dr: どうもありがとうございました。