2020.8.1 第900回放送分 『耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患』1回目 ゲスト:山下 勝ドクター


二見いすず: 今月8月のドクタートークは「耳鼻咽喉科・頭頸部外科の疾患」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の山下 勝(やましたまさる)ドクターです。
山下さんどうぞよろしくお願いいたします。

山下勝Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」といいますと、耳と鼻の病気を診ていらっしゃるのでしょうか?

山下勝Dr: 耳鼻咽喉科・頭頸部外科というのは、首から上の、眼と脳脊髄を除いた領域を担当する分野です。
耳と鼻以外にのど、首の診療を行い、味覚や嗅覚、聞く、話す、飲む、息をするという、人の生活の質と密接な関わりをもつ臓器をあつかっています。

二見いすず: 分かりました。
今日はどのようなことを教えていただけますでしょうか。

山下勝Dr: 今日は、声のかすれについてお話しいたします。

二見いすず: 声がかすれるのには、どのような原因があるのでしょうか。

山下勝Dr: 多くのみなさんが経験されたことがあるでしょうが、たとえばカラオケでたくさん歌うなど、声を使い過ぎたあとにかすれることがあると思います。

二見いすず: そうですね。

山下勝Dr: 声を使いすぎた場合は、ヴォイスレストといって、しばらく声を出さずに休めると治ります。
それ以外の原因の一つは加齢です。
年齢を重ねると、声帯が萎縮してしまうため徐々に声がかすれてしまうことがあります。

二見いすず: 確かに高齢になると、声がかすれやすくなりますよね。

山下勝Dr: はい。
でも逆に子どもでもかすれることがあるんですよ。

二見いすず: そうなんですか?

山下勝Dr: はい。
たとえば野球少年など、よく大きな声を出す子どもの声もかすれやすいです。
また、大きな声をよく出す職業の方、保育士さんや学校の先生なども、よく声がかすれます。
これは声帯結節といって、声帯に生じるペンダコのようなものが原因です。


二見いすず: その他にはどんな原因が考えられるのでしょうか。

山下勝Dr: ポリープ様声帯といって、声帯が全体的にむくんだように腫れた状態になることがあります。
これは女性の喫煙者に多く見受けられます。
その他、喉頭癌なども考えられます。
声のかすれは、甲状腺癌や下咽頭癌、胸の大動脈瘤、食道癌、肺癌など、喉だけの問題ではない場合もあるので、注意が必要です。

二見いすず: 声がかすれる原因には様々なものがあるんですね。

山下勝Dr: そうですね。
ちなみに、声が健康かどうかをチェックする簡単なテストがあるので、試してみてはいかがでしょうか。

二見いすず: ぜひ教えてください。

山下勝Dr: いっぱい息を吸って、大きな声でなくてもいいので「あー」と20秒できたら、大丈夫です。

二見いすず: 声の健康チェック、ぜひみなさんもお試しください。
お話は、山下勝ドクターでした。
来週以降もよろしくお願いします。
ありがとうございました。

山下勝Dr: ありがとうございました。