2020.8.15 第902回放送分 『耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患』3回目 ゲスト:山下 勝ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「耳鼻咽喉科・頭頸部外科の疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の山下 勝(やましたまさる)ドクターです。
山下さんどうぞよろしくお願いいたします。

山下勝Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は嚥下障害について教えていただきましたが、今日はどのようなことを教えていただけますか。

山下勝Dr: 今日は、難聴についてです。
まずは最初に、ラジオを聴いているみなさんと一緒に、聞こえの具合をチェックしてみましょう。

二見いすず: はい。
どのようにするのでしょうか。

山下勝Dr: 耳元で指をこすってみてください。
どうですか? 左右ともに同じ程度にカサカサという音がしたら大丈夫です。

二見いすず: みなさん、どうでしょうか。
カサカサという音は、聞こえましたか?

山下勝Dr: また、この番組を聞きながら、右の耳、左の耳、それぞれ交互に塞いでみてください。
同じように聞こえていたら問題ありません。

二見いすず: さぁ、どうでしょうか。
さて難聴ですが、原因はどのようなものがあるのでしょうか。

山下勝Dr: 加齢や中耳炎、また突発的になることもあります。
難聴には大きく2つあって、伝音性と感音性に分かれます。

二見いすず: 伝音性と感音性ですね。
それぞれ詳しく教えてください。

山下勝Dr: まず伝音性ですが、外耳や中耳になんらかの障害があることで起きます。
ちなみに耳は外側から外耳、真ん中の鼓膜から耳小骨のある中耳、そして一番奥にあって音を電気信号に変えて脳に伝える部分を内耳と呼びます。

二見いすず: 伝音性は、外側の外耳、そして真ん中の中耳に、障害があるんですね。
よく中耳炎というのは聞きますが、これも伝音性の一つなのでしょうか?

山下勝Dr: そのとおりです。
伝音性難聴は、様々な中耳炎以外に耳垢が原因のこともありますが、薬や処置・手術で改善できることがあります。


二見いすず: 分かりました。
次に、感音性について教えてください。

山下勝Dr: 感音性は、一番奥の内耳で起こります。
ある時急に生じる突発性難聴や、加齢性難聴、生まれつきの先天性難聴、あとメニエール病などがあります。
一つ注意していただきたいのが、急に起こった難聴は放置してはいけないということです。
特に突発性難聴では発症から1週間以内にステロイド製剤を投薬する必要があるので、すぐに耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。

二見いすず: 急に起こった難聴は放置せずに、すぐに耳鼻科へ行くことが大切ということです。
ところで、難聴にならないための予防は何かあるのでしょうか。

山下勝Dr: 耳にやさしい生活を心がけて欲しいと思います。
スマートフォンの普及によって、音楽をヘッドフォンで聴く方が多いと思いますが、大音量で長時間聴くのはやめましょう。
また鉄工所や工場など、騒音が発生する場所で仕事をされている方は、耳栓をするなどの工夫をしてください。

二見いすず 分かりました。
来週もよろしくお願いします。
お話は、山下勝ドクターでした。ありがとうございました。

山下勝Dr: ありがとうございました。