2020.9.19 第907回放送分 『整形外科の疾患』3回目 ゲスト:河村 一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「整形外科の疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の河村 一郎(かわむら いちろう)ドクターです。
河村さんどうぞよろしくお願いいたします。

河村一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は椎間板ヘルニアについて教えていただきましたが、今日はどのようなことを教えていただけますか?

河村一郎Dr: 今日は変形性膝関節症についてお伝えいたします。

二見いすず: 変形性膝関節症というのは、どのような病気なのでしょうか?

河村一郎Dr: 膝の関節のクッションである軟骨が損傷し、関節の役割が破綻してしまう病気です。
関節は軟骨をクッションにして動くので、軟骨が十分にあるうちは痛くないのですが、特に荷重がかかる部分の損傷が高度になると、膝に強い痛みが出るようになります。

二見いすず: 膝の痛みというのは多くの方が抱える悩みだと思いますが、「ちょっと休めば痛みが治まる」という人も多いように思います。
そういった方は変形性膝関節症ではないのでしょうか?

河村一郎Dr: 確かに最初のうちは少しの痛みで、休めば痛みも治まる程度なのですが、症状が進むと、立ち上がりや階段の下りがつらくなることが認められます。

二見いすず: そうならないために、日頃からできる対策はあるのでしょうか?

河村一郎Dr: 体重が重いとそれだけ膝にかかる負担も大きくなるため、肥満気味の方には体重を減らすようにお伝えしています。
また、正座など膝に負担がかかる座り方は避けるようにしましょう。
そして、膝周りの筋力をつけることも大切です。

二見いすず: 膝周りの筋力というのは、どのようにしたらつくのですか?

河村一郎Dr: ラジオを聴きながらでも簡単にできそうな方法があるのでお伝えいたします。

二見いすず: ぜひよろしくお願いします。

河村一郎Dr: まず、座っている状態で足を床と並行になるように上げ、膝を伸ばし、太腿に意識を向けてギュッと力を入れてください。
寝た状態で行っても大丈夫です。


二見いすず: これならいつでも簡単にできそうですね。

河村一郎Dr: はい。
また、ウォーキングもオススメですが、膝が痛くてウォーキングができないという方は、プールの中での水中歩行だと浮力があるのでラクに行えます。
ご自身の状態に合わせて筋力をつけるようにしてください。

二見いすず: ところで、変形性膝関節症になりやすい人は、どのような方なのでしょうか?

河村一郎Dr: 先ほどもお伝えしましたが肥満気味の方、過去に膝の半月板を痛めるなどの怪我をした方になりやすい傾向はありますが、まだ加齢変性以外の原因としてはわかっていない部分も多くあります。

二見いすず: 分かりました。
来週もよろしくお願いします。
お話は、河村一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

河村一郎Dr: ありがとうございました。