2020.10.24 第912回放送分 『眼科疾患』4回目 ゲスト:鵜木 一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「目の疾患」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の鵜木 一彦(うのき かずひこ)ドクターです。
鵜木さんどうぞよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今日はどのようなことについて教えていただけますか。

鵜木一彦Dr: 今日はよくある目の病気の結膜炎についてお伝えいたします。

二見いすず: 結膜炎というと、目が真っ赤になるというイメージがありますが、どのような病気なのか詳しく教えてください。

鵜木一彦Dr: はい。
まず結膜とは、黒目の周りの白目とまぶたの裏側を覆っている透明な膜のことです。
結膜炎とは、この結膜が炎症を起こす病気です。

二見いすず: 結膜炎は「人にうつる」というイメージがありますが・・・。

鵜木一彦Dr: 確かに家族や周りの方にうつる結膜炎もありますが、うつらない結膜炎もあります。

二見いすず: そうなんですね。
ではそれぞれの特徴について教えてください。

鵜木一彦Dr: まず、ほかの方にうつす、感染をする可能性の高い結膜炎は、ウイルスが感染したことによるウイルス性結膜炎と呼ばれるものです。
ウイルス性結膜炎の中でも多くみられるのが、流行性角結膜炎、いわゆる流行り目です。
これはアデノウイルスという感染力の強いウイルスが原因で、目やにや、目の充血などの症状が強く出ます。
流行り目以外には、咽頭結膜熱、いわゆるプール熱と呼ばれるものもあります。


二見いすず: プール熱と言うくらいですから、やはりプールで感染することが多いのでしょうか。

鵜木一彦Dr: そうですね。
夏場に感染するケースが多く、アデノウイルスが原因です。
こちらは目やにや充血のほか、咽頭痛や発熱などの症状もあります。
あとは、急性出血性結膜炎というものがあります。

二見いすず: 分かりました。
細菌による結膜炎はどうでしょうか?

鵜木一彦Dr: 細菌性結膜炎も目やにが出たり、目が充血したりするなどの症状があります。
手やまつげ、髪の毛、お化粧などから細菌が結膜に入って感染します。
しかし、ウイルス性ほど感染力はありません。

二見いすず: 分かりました。
次に、「人にうつらない」タイプの結膜炎についても教えてください。

鵜木一彦Dr: アレルギー性結膜炎です。
花粉やハウスダスト、ペットの毛などが原因で起こります。
目のかゆみや充血、ゴロゴロするなどの症状が現れます。

二見いすず: 結膜炎といっても、人にうつるものと、うつらないものがあるので、自分が結膜炎になったときは、どちらのタイプか分からないですよね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
ですので、結膜炎になったときは、眼科を受診して正しく診断してもらうようにしましょう。

二見いすず: 分かりました。
お話は鵜木一彦ドクターでした。
ありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。