2020.10.31 第913回放送分 『眼科疾患』5回目 ゲスト:鵜木 一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「眼科疾患」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の鵜木 一彦(うのき かずひこ)ドクターです。
鵜木さん最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は結膜炎についてお話をお伺いしました。
結膜炎は、「人にうつるもの」と「うつらないもの」とに分かれ、人にうつる結膜炎は、ウイルス性結膜炎と細菌性結膜炎、うつらない結膜炎は、アレルギー性結膜炎があるとのことでした。
今日はどのようなことを教えていただけますでしょうか。

鵜木一彦Dr: 今日はそれぞれの治療方法や注意点についてお伝えします。
まず、人にうつるウイルス性結膜炎ですが、残念ながら現在のところ特効薬はありません。
そのため通常は炎症を抑え、細菌による二次感染を防ぐための点眼薬で治療をします。

二見いすず: ほかにどのようなことに注意したらよいでしょうか。

鵜木一彦Dr: ウイルスは時間とともに消滅しますので、1〜2週間は、家族やほかの方へ感染させないように注意してください。
目やその周囲を触れたら流水で手を良く洗う、ティッシュペーパーなどで涙や目ヤニをとり、すぐに捨てる、通学や通勤などは許可が出るまで控えるなどが必要です。

二見いすず: お風呂でも感染するのですか。

鵜木一彦Dr: はい、可能性はありますね。
タオルは別々に使うこと、お風呂は家族の中で最後に入ることなどをすすめています。

二見いすず: 分かりました。
細菌性結膜炎の治療方法について教えてください。

鵜木一彦Dr: 細菌性結膜炎の場合は、有効な点眼薬があるので、点眼や軟膏で治療します。
治療しているが症状が続くときは、再度受診していただくことをすすめます。


二見いすず: 分かりました。
アレルギー性結膜炎の治療方法について教えてください。

鵜木一彦Dr: アレルギー反応を抑える抗アレルギー薬や炎症を抑える点眼薬が使われます。
感染性の結膜炎と違って、アレルギーを抑えるのには時間がかかります。
治療を始めたらすぐ治るわけではないので、長期間、そうですね、もらったお薬がなくなるくらいまでは気長に治療を続けてください。
花粉症などの季節性のアレルギーの場合は、症状が現れる前から点眼薬を使うことが症状をかるくするといわれています。

二見いすず: 最後に、新型コロナウィルスとの関連性について教えていただきたいのですが、通常だと、新型コロナウィルスは、口や鼻から感染しますが、目から感染する可能性もあるのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 感染者の咳や唾が顔にかかった場合、目の粘膜から感染する可能性はあります。
中国ではそのために眼科医への感染もあったように聞きますが、わが国では報告が少ないようです。
われわれも十分に感染対策しておりますので、ご安心ください。

二見いすず: 分かりました。
今月は5週にわたり、眼科疾患について、鹿児島県医師会の鵜木一彦ドクターに貴重なお話をお伺いしました。
どうもありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。