2020.11.7 第914回放送分 『インフルエンザ』1回目 ゲスト:西 順一郎ドクター



二見いすず: 今月11月のドクタートークは「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の西 順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さんどうぞよろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 毎年この時期になりますと、気になるのがインフルエンザですが、今年は新型コロナウイルスのこともあるので、みなさん例年以上に気になっているのではないかと思います。

西順一郎Dr: そうですね。
新型コロナウイルスもふくめた話は今週と、最終週の28日にお話しいたしますが、まずはインフルエンザについて、お伝えしたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
まず基本的なことからお聞きしたいのですが、インフルエンザとはどのような病気なのか教えてください。

西順一郎Dr: インフルエンザは、インフルエンザウイルスが私たちの気道に感染することで起こる感染症です。
咳や鼻水、喉の痛みといった風邪のような症状のほか、38℃以上の急な発熱、頭痛や関節痛、筋肉痛、倦怠感など全身に強い症状があらわれます。

二見いすず: 感染する原因としては、どのようなものがあるのでしょうか。

西順一郎Dr: 感染経路としては、飛沫感染と接触感染があります。
飛沫感染は、咳やくしゃみで出るウイルスを含む飛沫を吸い込んで感染するものです。
一方、接触感染は、患者のつばや飛沫がついているドアノブやつり革などを触り、その手を洗わないまま、自分の鼻や口を触ることで感染してしまうものです。

二見いすず: どちらの感染経路が多いのでしょうか。

西順一郎Dr: 圧倒的に飛沫感染のほうが多いと思いますので、症状がある方がマスクをして広がらないようにすることが重要です。

二見いすず: いま私たちは新型コロナウイルス対策で、日常的にマスクを着用していますが、このことにより飛沫感染でインフルエンザにかかる確率は低くなるのでしょうか?

西順一郎Dr: だいぶ低くなると思います。
実際、今年の2月から3月にかけて、みんながマスクを着けることを徹底し、インフルエンザの流行は急速に静まりました。
今年は新型コロナウイルスの影響で、国の閉鎖もあり、南半球は全く流行っていませんし、もしかしたら今シーズンの流行は大きくないかもしれません。
しかし、昨シーズンかかっている人が少ないということは、逆にインフルエンザに対する集団としての免疫も落ちているということですので、今年は流行したら爆発的に増える可能性もあります。


二見いすず: つまり、「今年は新型コロナウイルス対策をしているので、インフルエンザは大丈夫!」と安心するのではなく、両方気をつけた方がいいということですね?

西順一郎Dr: はい。
両方の対策をしっかり行っていただきたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
来週以降もよろしくお願いいたします。
お話は西順一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

西順一郎Dr: ありがとうございました。