2021.1.2 第922回放送分 『アルコール関連問題』1回目 ゲスト:竹元 隆英ドクター



二見いすず: あけましておめでとうございます。
2021年がスタートしました。
今月1月のドクタートークは「アルコール関連問題」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の竹元 隆英(たけもと たかひで)ドクターです。
竹元さんどうぞよろしくお願いいたします。

竹元隆英Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 例年ですとこの時期は、年末からの忘年会、そして年が明けてからの新年会と、飲み会が続き、アルコール摂取量もおのずと多くなると思いますが、新型コロナウイルスの影響で、お酒を飲みすぎることも減っているような気もします。

竹元隆英Dr: そうですね。
確かに外での飲み会は減っていると思いますが、その分みなさん、家で飲まれることが増えたのではないでしょうか。
去年から「リモート飲み」というのも定番になりました。
外で飲むのと違い、家で飲むと、時間制限がなくダラダラと飲んでしまうため、かえってアルコールの量が増えてしまうという傾向もあるようです。

二見いすず: 言われてみればそうですね。

竹元隆英Dr: ですので、リモート飲みなどをする際は、あらかじめ時間を区切って飲むように心がけましょう。
お酒は人間関係の潤滑油になるなど、いい面も多くありますが、不適切な飲酒は、アルコール健康障害の原因になってしまいます。

二見いすず: アルコール健康障害とはどのようなものなのでしょうか。

竹元隆英Dr: 平成26年6月に施行されたアルコール健康障害対策基本法によると、アルコール健康障害の定義は、アルコール依存症その他の多量の飲酒、未成年者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心と体の健康障害とされています。

二見いすず: そうなんですね。
適正な飲酒量とは、だいたいどのくらいなのでしょうか。

竹元隆英Dr: 個人差もありますが、1日あたりの適正な飲酒量は、ビールだと中瓶またはロング缶1本500mlくらい、最近流行っている9%の酎ハイなら350ml缶1本くらい、25度の焼酎だと0.6合くらいになります。
一升瓶ですと、月2本の計算ですね。

二見いすず: 先ほど、未成年や妊婦の飲酒についても出てきましたね。

竹元隆英Dr: はい。
未成年者の飲酒は、心と体の発育への影響が指摘されています。
また、妊娠中の飲酒は、胎児の発育障害等が起こる胎児性アルコール症候群も引き起こすことが指摘されています。
お子さんのためにも妊娠中や出産後の授乳中は、飲酒を控えなければなりません。

二見いすず: よく分かりました。
今月はアルコール関連問題をテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の竹元 隆英ドクターでした。ありがとうございました。

竹元隆英Dr: ありがとうございました。