2021.1.16 第924回放送分 『アルコール関連問題』3回目 ゲスト:竹元 隆英ドクター


二見いすず: 今月1月のドクタートークは「アルコール関連問題」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の竹元 隆英(たけもと たかひで)ドクターです。
竹元さんどうぞよろしくお願いいたします。

竹元隆英Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、日本人の40%はアルコールに弱いということや、同じ日本人でも都道府県によってアルコールに対しての強さが違うことを教えていただきました。
今週はどんなお話でしょうか。

竹元隆英Dr: 今週はアルコールの体への影響についてお伝えいたします。
発症頻度の高い代表的な健康障害としては、アルコール性肝炎や肝硬変などのアルコール性肝臓疾患があげられます。
また、アルコールそのものに発がん性があり、口腔がん、食道がん、大腸がん、乳がんなどの原因にもなります。

二見いすず: アルコールで体を壊すのは、昔から男性が多いイメージがあるのですが、こちらに関してはどうでしょうか。

竹元隆英Dr: 確かに男性の方が飲む量は多いのかもしれませんが、実は女性の方が注意が必要なんです。

二見いすず: 「それはなぜですか?

竹元隆英Dr: 男性よりも女性の方が、ホルモンの影響などでアルコールの害が強く出やすい傾向があります。
また、女性は「山型飲酒」といって、普段はあまり飲まないのに、嫌なことがあった時などに大量に飲む、いわゆるヤケ酒のタイプが多いので注意が必要です。
ヤケ酒は、その時は忘れられますが、より辛くなるのは科学的にも解明されています。

二見いすず: そうなんですね。
そういったヤケ酒は、一気に飲むことが多いので危険ですよね?

竹元隆英Dr: はい。
急性アルコール中毒になることもあるので、注意が必要です。
急性アルコール中毒になると、意識レベルの低下、嘔吐、呼吸状態の悪化など、危険な状態になります。

二見いすず: そうなんですね。
急性アルコール中毒以外にも、日常的に飲んでいる人でも危険な状態になることはあるのでしょうか。

竹元隆英Dr: はい。
お酒を飲んだ以上に尿が出るので、脱水症状にならないよう注意してください。
しっかりと水分も摂る必要があります。
また、たとえば9%の酎ハイのロング缶500mlを4本飲むと、アルコール分解に17時間から22時間くらいかかるので常に体にアルコールが残っている状態です。
いつも飲酒運転をしているような状態なんです。
分解するのに時間がかかるので、飲む量にも気をつけましょう。
また、寝酒も危険です。お酒は精神依存だけでなく身体依存もあるので、もし飲まないと眠れないのなら、眠剤の方がずっと安全です。

二見いすず: 分かりました。
今月はアルコール関連問題をテーマにお送りしています。
来週以降もよろしくお願いいたします。
お話は鹿児島県医師会の竹元 隆英ドクターでした。
ありがとうございました。

竹元隆英Dr: ありがとうございました。