二見いすず: | 今月2月のドクタートークは「心不全」をテーマにお送りいたします。 お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎(くぼぞの たくろう)ドクターです。 窪薗さんどうぞよろしくお願いいたします。 |
窪薗琢郎Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | まずそもそもですが、心不全というのは、どのような病気なのでしょうか? |
窪薗琢郎Dr: | 心不全とは病名というよりは心臓の働きが悪くなって起きてしまった病態のことです。 心臓には縮んだり広がったりするポンプの働きがあり、この縮む、広がるというのが正常に行われていない状態が心不全です。 そしてポンプには、大きく2つの役割があります。 |
二見いすず: | それぞれどのような役割なのでしょうか。 |
窪薗琢郎Dr: | 一つは血液を送り出すこと。 もう一つは血液を受け取ることです。 十分な血液がポンプに満たされて初めて、十分な量の血液が体内へと送り出されます。 |
二見いすず: | もし心不全になった場合、どのような症状が出るのでしょうか? |
窪薗琢郎Dr: | 呼吸困難、膝から下の足のむくみ、食欲低下、倦怠感などが出てきて、最終的には命を縮めてしまいます。 |
二見いすず: | 「最終的には命を縮める」ということは、心不全になったからと言ってすぐに命を落としてしまう、ということではないんですね? |
窪薗琢郎Dr: | そうですね。 心不全ですぐに亡くなることはあまりありません。 ただ、急性のパターンと、じわじわ悪くなるパターンがあります。 急性の場合だと強い呼吸困難を感じて、救急車で来院することが多いです。 |
二見いすず: | そのような急性の心不全になる人の特徴などはあるのでしょうか? |
窪薗琢郎Dr: | 高血圧や生活習慣病のある人で、元々心臓の機能が弱っている人です。 そのような人が前日に水を飲み過ぎたり塩分を取りすぎたりして、さらに翌朝寒かったりすると、血管が縮まってしまい、足などに溜まっていた血液が一気に心臓に返ってきて、心臓が対応できずに心不全になるというケースがあります。 |
二見いすず: | そうなんですね。 じわじわ悪くなるパターンの人というのは、どのような人なのでしょうか? |
窪薗琢郎Dr: | 以前、心筋梗塞を起こした人や心臓の筋肉が死んでいってしまう心筋症など心臓の縮まる力が大きく落ちている人などです。 いずれにせよ、高齢者のみなさんは特に気を付けていただきたいです。 基本的に心臓の広がる力が落ちています。 そして、高血圧、糖尿病、生活習慣病のある方、以前に心臓の病気をした方は、十分気をつけるようにしてください。 特に冬場は寒いので、血圧があがりやすく、心臓に負担がかかりやすいです。 |
二見いすず: | 分かりました。 今月は心不全をテーマにお送りしてまいります。 お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎ドクターでした。ありがとうございました。 |
窪薗琢郎Dr: | ありがとうございました。 |