2021.2.13 第928回放送分 『循環器疾患』2回目 ゲスト:窪薗 琢郎ドクター


二見いすず: 今月2月のドクタートークは「心不全」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎(くぼぞの たくろう)ドクターです。
窪薗さん今週もどうぞよろしくお願いいたします。

窪薗琢郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「心不全とは何か」について教えていただきました。
今週はどのようなことについて教えていただけますか。

窪薗琢郎Dr: 先週少しだけ触れた、心不全の症状について、さらに詳しくお伝えします。
あと診断についてもお伝えいたします。

二見いすず: 分かりました。
早速、症状についてですが、先週は「呼吸困難、膝から下の足のむくみ、食欲低下、倦怠感などが出てくる」とのことでした。

窪薗琢郎Dr: そうですね。
初期の段階では、歩いたり階段を上ったりと、動いたときに呼吸困難を感じることが多いです。
初期段階を過ぎて次第に病気が重くなってくると、「座っているときは楽だけど、寝ると苦しい」と訴える方がいらっしゃいます。

二見いすず: 普通、体調が悪い時は、座っているよりも寝ているときの方が楽に感じるものですが、逆なんですね?

窪薗琢郎Dr: はい。
これは重力の関係で、座っていると足の方に血液が溜まるため、心臓に戻ってくる血液が減り、結果心臓の負担が減るんです。
しかし横になると、足に溜まっていた血液が心臓に戻ってくるため、苦しく感じます。

二見いすず: そういう理由なんですね。
心不全の症状が出てきたら、病院を受診することになると思いますが、まずは近くの内科を受診すればいいのでしょうか?

窪薗琢郎Dr: そうですね。
まずは、かかりつけ医に診てもらうようにしてください。
血液の中に酸素がどのくらいあるのか、血圧や脈拍の測定、レントゲン、心電図などの検査をして、異常が見つかれば、さらに心臓専門の病院で検査をする必要があります。

二見いすず: 専門の病院ではどのような検査をするのでしょうか?

窪薗琢郎Dr: エコーや採血をします。
エコーですと、心臓の実際の画像をいろんな角度で見ることができるため、心臓の大きさや動き、壁の厚さ、心臓の部屋を仕切っている扉が正常に作動しているかどうか、さらに心臓の広がる力などが分かります。
ただし、これで心不全ということは分かっても、エコーだけでは原因が分からない場合があるので、さらに原因を探っていきます。

二見いすず: 分かりました。
ちなみに、これまでも心不全を起こした人は、やはり定期的に受診した方がいいのでしょうか?

窪薗琢郎Dr: そうですね。
専門の医師に診てもらっていなければ、半年や1年に1回は、受診するようにしてください。

二見いすず: 気になることがあれば、早めにかかりつけ医に、そして過去に心不全を起こした人は定期的に受診をなさるようにしてください。
今月は心不全をテーマにお送りしています。
来週もよろしくお願いいたします。
お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎ドクターでした。ありがとうございました。

窪薗琢郎Dr: ありがとうございました。