二見いすず: | 今月2月のドクタートークは「心不全」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎(くぼぞの たくろう)ドクターです。 窪薗さん今週もどうぞよろしくお願いいたします。 |
窪薗琢郎Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、心不全の症状と診断について教えていただきました。 今週はどんなことについてお話いただけるでしょうか。 |
窪薗琢郎Dr: | 今週は心不全の治療についてお伝えいたします。 心不全の治療は、急性期と慢性期でそれぞれ異なります。 |
二見いすず: | ではまず、急性期の治療について教えてください。 |
窪薗琢郎Dr: | はい。 急性期ですと、たいていは救急車で運ばれてきます。 呼吸困難や倦怠感が強いので、まずはそれを取る治療を行います。 具体的には体に酸素を入れる処置をし、呼吸の苦しさを取ります。 さらに、心臓の縮む力が弱い人には、心臓を強く動かすための注射をしたり、そのほか、血管を広げてあげる注射や尿を出す注射などの処置をしたりします。 |
二見いすず: | 分かりました。 慢性期の治療はどのようなことをするのでしょうか? |
窪薗琢郎Dr: | 慢性期では、心臓を保護する治療を行います。 |
二見いすず: | 「心臓を保護する」というのは、どういうことですか? |
窪薗琢郎Dr: | 心不全の人は、心臓が頑張りすぎて疲れている状態です。 そのため、一生懸命頑張っている心臓にブレーキをかけるような治療だと思ってください。 心臓を休めたり、心臓の負担をとってあげたりするような飲み薬を使います。 |
二見いすず: | そうなんですね。 飲み薬は、どのくらいの期間飲めばいいのでしょうか? |
窪薗琢郎Dr: | 飲み薬は一生飲むものだと思ってください。 残念なことに、一度悪くなった心臓の動きはかなりの割合で戻らないんです。 しかし、薬を飲んでいると一旦症状が良くなるため、完治したと勘違いし、自己判断で薬をやめてしまう方がいます。 そうなると状態が悪くなり再入院となってしまうため、薬を中断するときは自分で判断せず、必ず医師に相談するようにしてください。 |
二見いすず: | せっかく退院できても再入院すると、つらいですよね。 |
窪薗琢郎Dr: | そうですね。 薬以外にも、再入院をしないで済むよう、心臓リハビリテーションを行なったりします。 看護師、理学療法士、薬剤師、栄養士たちがみんなで協力し、患者さんにも勉強してもらいます。 ご自身の病気がどんな病気なのか、どのような食事がいいのか、どのくらいの活動をしていいのかなど、今後、再び心不全にならないための知識を教えています。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今月は心不全をテーマにお送りしています。 来週もよろしくお願いいたします。 お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎ドクターでした。ありがとうございました。 |
窪薗琢郎Dr: | ありがとうございました。 |