2021.2.27 第930回放送分 『循環器疾患』4回目 ゲスト:窪薗 琢郎ドクター


二見いすず: 今月2月のドクタートークは「心不全」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の窪薗 琢郎(くぼぞの たくろう)ドクターです。
窪薗さん最終週もどうぞよろしくお願いいたします。

窪薗琢郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、心不全の治療について教えていただきました。
今週はどのようなことについて教えていただけますでしょうか。


窪薗琢郎Dr: 今週は心不全にならないための日常生活における注意点、あと、心不全になってしまった方の注意点をお伝えいたします。

二見いすず: 分かりました。
ではまず、心不全にならないための注意点からお願いします。

窪薗琢郎Dr: はい。
まず食事ですが、食べ過ぎないことが大切です。
肥満は心臓に負担をかけてしまいます。
腹八分目を意識するようにしてください。
塩分量にも気をつけましょう。
お酒は適量なら問題ないですが、飲み過ぎは禁物です。
次に運動ですが、有酸素運動がオススメです。
自分のペースで歩く散歩を30分程度行いましょう。
軽い筋トレや軽いスクワットも効果的です。
あと言うまでもないですが、喫煙は良くありません。

二見いすず: 今の時期ですと夜はまだ寒いので、シャワーではなくお風呂に浸かる方も多いと思いますが、入浴について何か注意点はありますか?

窪薗琢郎Dr: はい。
長時間の入浴、そして熱いお湯は心臓に負担がかかります。
お湯の温度や入浴時間にも気をつけるようにしましょう。

二見いすず: 「心臓を保護する」というのは、どういうことですか?

窪薗琢郎Dr: 心不全の人は、心臓が頑張りすぎて疲れている状態です。
そのため、一生懸命頑張っている心臓にブレーキをかけるような治療だと思ってください。
心臓を休めたり、心臓の負担をとってあげたりするような飲み薬を使います。

二見いすず: 分かりました。
では次に心不全になってしまった方の注意点を教えてください。

窪薗琢郎Dr: まず先週もお伝えしましたが、薬は自己判断でやめずに、しっかりと飲むようにしましょう。
そして食事ですが、1日6gの塩分制限がすすめられます。

二見いすず: 6gというのは、具体的にはどのくらいの量になるのでしょうか?

窪薗琢郎Dr: お味噌汁が1杯2gです。
梅干しも同じく2g。
ラーメンはスープまで飲むと7gあります。
あとお酒は適量を意識し、水も飲み過ぎないようにしましょう。
また、適度な運動は必要ですが、運動のしすぎも良くありません。
心不全が悪くなるとと体重が増える方が多いので、体重管理にも気をつけましょう。

二見いすず: 分かりました。
ちなみに昨年から新型コロナウイルスが心配されていますが、心不全の方だと重症化しやすいなどの影響はありますか?

窪薗琢郎Dr: そうですね。
心不全の人が感染すると、悪くなりますし、新型コロナウイルスが直接心臓に悪さをする可能性もあります。
健康な人以上の注意が必要です。

二見いすず: 十分に注意したいですね。
今月は4週にわたって心不全をテーマに貴重なお話をしていただきました。
お話は鹿児島県医師会の窪薗琢郎ドクターでした。ありがとうございました。

窪薗琢郎Dr: ありがとうございました。