二見いすず: | 今月3月のドクタートークは「花粉症」をテーマにお送りいたします。 お話は鹿児島県医師会の石川勉(いしかわ つとむ)ドクターです。 石川さんどうぞよろしくお願いいたします。 |
石川勉Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 花粉症は、すでに多くの人たちがかかっていて、よく「国民病」という言い方をされますよね? |
石川勉Dr: | おっしゃる通りです。 日本人のおよそ4割が花粉症の可能性があると言われています。 |
二見いすず: | ひとくくりに花粉症と言っても、いろんな種類の花粉があるんですよね? |
石川勉Dr: | はい。 今の時期ですと主にスギ花粉、ヒノキ花粉でお困りの方が多いと思いますが、それ以外にもイネ、ヨモギ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバなどがあります。 |
二見いすず: | スギ花粉とヒノキ花粉は、ほぼ同じ時期なのでしょうか? |
石川勉Dr: | スギは1月以降、ヒノキは3月以降、イネの場合は5〜6月に症状があらわれる方が多いです。 |
二見いすず: | ところで、昔は花粉症で悩んでいる人が少なかったと思うのですが・・・ |
石川勉Dr: | はい。 花粉症というと、主にこの時期のスギ花粉の人を指すことが多いですが、スギは1950年から1970年の高度経済成長期のときに多く植林されました。 そしてスギの花粉は、植えてから30年くらい経ったあとから、花粉を飛散し始めます。 例えば1970年に植えたスギの花粉は、2000年頃に飛散し始めるという計算です。 |
二見いすず: | 「高度経済成長期に植えられたスギの花粉は、およそ30年後に飛散する」ということは、もうピークは過ぎているのではないですか? |
石川勉Dr: | 計算上はそうなります。 ですので、現在ゆるやかに減少していると予想されています。 |
二見いすず: | それは花粉症の方にとっては朗報ですね。 ところで、「去年までまったく花粉症ではなかったのに、今年から突然鼻や目がつらくなった」という方が結構いらっしゃいますが、花粉症は突然始まるものなのでしょうか? |
石川勉Dr: | はい。 人によっていつ花粉症になるかは分かりません。 数年から数十年間花粉を浴びているうちに、体内に抗体が蓄積され、一定の水準に達したときに、目がかゆくなったり、くしゃみがでたりという花粉症の症状があらわれます。 しかし、人によってその水準、つまり花粉症になるまでのキャパシティが異なるのです。 |
二見いすず: | そうなんですね。 ちなみに花粉症になりやすい人の特徴はあるのでしょうか? |
石川勉Dr: | やはり、最近の若者たちでしょうか。 みなさん幼い頃からクリーンな環境で育っているので、花粉症に限らずアレルギーになりやすい方が増えています。 |
二見いすず: | 分かりました。 今月は花粉症をテーマにお送りしてまいります。 お話は鹿児島県医師会の石川勉ドクターでした。ありがとうございました。 |
石川勉Dr: | ありがとうございました。 |