2021.3.6 第931回放送分 『花粉症』1回目 ゲスト:石川 勉ドクター



二見いすず: 今月3月のドクタートークは「花粉症」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の石川勉(いしかわ つとむ)ドクターです。
石川さんどうぞよろしくお願いいたします。

石川勉Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 花粉症は、すでに多くの人たちがかかっていて、よく「国民病」という言い方をされますよね?

石川勉Dr: おっしゃる通りです。
日本人のおよそ4割が花粉症の可能性があると言われています。

二見いすず: ひとくくりに花粉症と言っても、いろんな種類の花粉があるんですよね?

石川勉Dr: はい。
今の時期ですと主にスギ花粉、ヒノキ花粉でお困りの方が多いと思いますが、それ以外にもイネ、ヨモギ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバなどがあります。

二見いすず: スギ花粉とヒノキ花粉は、ほぼ同じ時期なのでしょうか?

石川勉Dr: スギは1月以降、ヒノキは3月以降、イネの場合は5〜6月に症状があらわれる方が多いです。

二見いすず: ところで、昔は花粉症で悩んでいる人が少なかったと思うのですが・・・

石川勉Dr: はい。
花粉症というと、主にこの時期のスギ花粉の人を指すことが多いですが、スギは1950年から1970年の高度経済成長期のときに多く植林されました。
そしてスギの花粉は、植えてから30年くらい経ったあとから、花粉を飛散し始めます。
例えば1970年に植えたスギの花粉は、2000年頃に飛散し始めるという計算です。

二見いすず: 「高度経済成長期に植えられたスギの花粉は、およそ30年後に飛散する」ということは、もうピークは過ぎているのではないですか?

石川勉Dr: 計算上はそうなります。
ですので、現在ゆるやかに減少していると予想されています。

二見いすず: それは花粉症の方にとっては朗報ですね。
ところで、「去年までまったく花粉症ではなかったのに、今年から突然鼻や目がつらくなった」という方が結構いらっしゃいますが、花粉症は突然始まるものなのでしょうか?

石川勉Dr: はい。
人によっていつ花粉症になるかは分かりません。
数年から数十年間花粉を浴びているうちに、体内に抗体が蓄積され、一定の水準に達したときに、目がかゆくなったり、くしゃみがでたりという花粉症の症状があらわれます。
しかし、人によってその水準、つまり花粉症になるまでのキャパシティが異なるのです。

二見いすず: そうなんですね。
ちなみに花粉症になりやすい人の特徴はあるのでしょうか?

石川勉Dr: やはり、最近の若者たちでしょうか。
みなさん幼い頃からクリーンな環境で育っているので、花粉症に限らずアレルギーになりやすい方が増えています。

二見いすず: 分かりました。
今月は花粉症をテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の石川勉ドクターでした。ありがとうございました。

石川勉Dr: ありがとうございました。