2021.3.13 第932回放送分 『花粉症』2回目 ゲスト:石川 勉ドクター


二見いすず: 今月3月のドクタートークは
「花粉症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の石川勉(いしかわ つとむ)ドクターです。
石川さんどうぞよろしくお願いいたします。

石川勉Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週はどのようなことについて教えていただけますか。

石川勉Dr: 今週は花粉症の症状についてお伝えします。
花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、そして目の痒みが主な症状です。

二見いすず: この時期、目の痒みだけの症状ですと、「これは花粉症かも!」と判断しやすいですが、鼻水やくしゃみなどの症状ですと、「もしかしたら風邪かもしれない」と、判断がつきにくいですよね。

石川勉Dr: そうですね。
ただ、花粉症の鼻水は水のようにサラサラしています。
一方風邪の場合はネバネバした鼻水ですし、くしゃみも花粉症の場合は発作のように出て長期間続きますが、風邪の場合は1週間ほどで治ります。

二見いすず: そのような違いがあるんですね。
風邪の場合ですと、なにか症状が出た場合、「こじらせないように気をつけよう」とするものですが、花粉症の場合は症状が出ても、重症化する心配はないのでしょうか。

石川勉Dr: 花粉はのどから気管に入ると、タンの出ない乾いた咳がでることがあります。
それが重症化すると、気管支の粘膜の炎症がおこり、喉の痛みや呼吸困難になることがあるので注意が必要です。
また、これは新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザも含めてですが、花粉症でウイルス感染を起こすと、副鼻腔炎になるケースもあります。
なので、花粉症でも重症化しないよう気をつける必要があります。

二見いすず: 分かりました。
風邪と花粉症の症状の違いは分かりましたが、新型コロナウイルスと症状の差はあるのでしょうか?

石川勉Dr: 実は、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、嗅覚障害といった花粉症の症状は、新型コロナウイルス感染症でもみられることがあります。
花粉症の症状がある方は、ご自身がウイルスに感染しているか判別しにくくなってしまうので注意が必要です。

二見いすず: それは困りますね。

石川勉Dr: そうなんです。
くしゃみ1回で発生する飛沫の量は、咳の10倍以上ですし、花粉症の症状にウイルス感染が加わると、周りへ感染拡大してしまう危険があります。
花粉症では、目や鼻のかゆみも出るため、ウイルスがついた手で目や鼻をこすると、粘膜を介してウイルスに感染するリスクがあります。

二見いすず: 今年は例年以上に、花粉症への対応が大切になってくるというわけですね。
お話は鹿児島県医師会の石川勉ドクターでした。ありがとうございました。

石川勉Dr: ありがとうございました。