2021.3.20 第933回放送分 『花粉症』3回目 ゲスト:石川 勉ドクター


二見いすず: 今月3月のドクタートークは
「花粉症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の石川勉(いしかわ つとむ)ドクターです。
石川さんどうぞよろしくお願いいたします。

石川勉Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週はどのようなことについて教えていただけますか。

石川勉Dr: 今週は花粉症の治療についてお伝えいたします。
まず「原因物質の回避」が最重要です。
花粉の飛散情報に注意して、飛散が多い日は外出を控えるとともに、外出時は眼鏡やマスクを着用します。
治療は大きく分けて、薬物療法、免疫療法、そして手術がありますが、まずは患者さんのほとんどが行っている薬物療法についてお伝えします。

二見いすず: はい、お願いします。

石川勉Dr: 花粉症の薬は発症後ではなく、発症前に早めに飲む方が効果的です。
ですので、毎年花粉症になる方は、花粉症のシーズン前にお薬をもらうようにしてください。
また、症状ごとに効果のある薬は変わってきます。

二見いすず: それぞれ教えてください。

石川勉Dr: はい。
鼻水に対しては、抗ヒスタミン薬が効果的です。
よく飲まれている薬ですが眠くなる場合もあり、注意が必要です。
鼻詰まりに対しては、抗ロイコトリエン薬が効果的です。
また、鼻に噴射するステロイドホルモン剤が中心です。
目の痒みに関しては、点眼薬で、抗ヒスタミン薬の入っている点眼薬をつかいます。

二見いすず: 分かりました。
続きまして、免疫療法について教えてください。

石川勉Dr: 免疫療法は2種類あります。
1つは注射をする減感作療法です。これはあえてアレルゲンを注射し、体を少しずつ慣らしていく方法です。もう1つは舌下免疫療法といって、舌の裏に液体を垂らしていく方法です。
免疫療法は、いずれもアナフィラキシーを起こすこともあるので、十分注意し、主治医の先生と相談しながら進めてください。

二見いすず: 免疫療法というのは1回すれば終わるのでしょうか?

石川勉Dr: いいえ。
いずれも花粉の季節ではない時期に、およそ3ヶ月間する必要があります。
しかもそれを3年から5年にわたって治療する必要があります。
完治を目指せる唯一の治療法ですが、途中で中断すると、また1から始めないといけないので大変です。だからほとんど人の場合は薬物療法が多いです。

二見いすず: 分かりました。最後に手術について教えてください。

石川勉Dr: 手術では、レーザーで鼻の粘膜を焼きます。30分ほどで終わります。
治療を行うのは花粉症のシーズン前で、オンシーズンに行うことはありません。
症状は改善しますが花粉症を根治させることはできません。

二見いすず: よく分かりました。
今月は花粉症をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の石川勉ドクターでした。ありがとうございました。

石川勉Dr: ありがとうございました。