2021.4.3 第935回放送分 『生活習慣病』1回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター



二見いすず: 今月4月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の西尾 善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さんどうぞよろしくお願いいたします。

西尾善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 新年度が始まりまして、新しい生活が始まる方も多いと思いますが、このような時期は、普段の生活習慣を見直すチャンスになりますか?

西尾善彦Dr: そうですね。
生活習慣病はその名の通り、日頃の不健康な生活習慣の積み重ねが原因となりますので、ぜひこのような機会に見直していただきたいです。
生活習慣病には、さまざまな疾患がありますが、今月は主に脂質異常症について、あと最終週は喫煙についてもお伝えいたします。

二見いすず: 分かりました。
早速ですが、脂質異常症というのは、どのような病気なのでしょうか。

西尾善彦Dr: まず、人の血液内にある脂質には、2種類あります。
コレステロールと中性脂肪です。
そしてコレステロールにもさらに2種類あって、善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあります。
脂質異常症というのは、悪玉コレステロールか中性脂肪が多い、もしくは善玉コレステロールが少ない状態のことを指します。

二見いすず: 悪玉コレステロールか中性脂肪が多い、もしくは、善玉コレステロールが少ない状態なんですね。
それでは、一つずつ詳しく教えてください。

西尾善彦Dr: はい。
まず悪玉コレステロールですが、「悪玉」なんて呼ばれていますけど、決して悪者ではないんです。

二見いすず: そうなんですね?

西尾善彦Dr: はい。
悪玉コレステロール、血液検査の用紙には、「LDLコレステロール」と書かれていますが、悪玉コレステロールは全身にコレステロールを運ぶ役割をします。
ただし、多すぎると良くないんです。

二見いすず: 分かりました。
もう一つのコレステロール、善玉コレステロールについてはどうでしょうか?

西尾善彦Dr: 善玉コレステロール、これは血液検査では「HDLコレステロール」と書かれていますが、血管に溜まっているコレステロールを肝臓に戻す役割をし、普通は多ければ多いほどいいです。

二見いすず: そうなんですね。
残りの1つ、中性脂肪についても教えてください。

西尾善彦Dr: 中性脂肪は、肝臓からエネルギーが必要なところにエネルギーを運ぶ運び屋ですが、これはなくてもいいものです。

二見いすず: どうして脂質異常症になると良くないのでしょうか?

西尾善彦Dr: 血管にコレステロールがたまると、血管が細くなったり、詰まったりするなど、動脈硬化になってしまうからです。

二見いすず: 分かりました。
今月は生活習慣病をテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターでした。ありがとうございました。

西尾善彦Dr: ありがとうございました。