2021.4.10 第936回放送分 『生活習慣病』2回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月4月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾 善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さんどうぞよろしくお願いいたします。

西尾善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、脂質異常症はどんな状態なのかについて教えていただきました。
悪玉コレステロールか中性脂肪が多い、もしくは、善玉コレステロールが少ない状態が、脂質異常症とのことでした。
今日はどんなことについて教えていただけますでしょうか。


西尾善彦Dr: 病気になった場合、悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では治し方が異なるので、それについてお伝えいたします。
今日はまず、悪玉コレステロールが多い人の治療法についてです。
実は悪玉コレステロールが多い人は、生活習慣が良くないという原因よりも、遺伝などの体質が原因の場合が多いです。

二見いすず: そうなんですね。

西尾善彦Dr: はい。
ご両親やご兄弟の中に、「コレステロールの値が高い」と言われた方がいらっしゃったり、心臓の病気や脳卒中の方がいらっしゃったら、気をつけるようにしましょう。

二見いすず: 分かりました。
身内にそういった方がいないか確認することが大切なんですね。
ところで、悪玉コレステロールが多い人は、やはり食事には気をつけた方がいいのでしょうか?

西尾善彦Dr: そうですね。
体内のコレステロールの3分の1は、食事由来です。
このとき、食べた量よりも吸収される量に気をつけてください。
肉の脂、鳥の脂、ラードといった動物性の脂は、コレステロールを吸収するのを促進してしまいます。

二見いすず: そうなんですね。
ちなみに魚の脂は気にしなくてもいいのでしょうか?

西尾善彦Dr: はい。
魚の脂は気にしなくても大丈夫です。

二見いすず: 分かりました。
ところで先ほど、「体内のコレステロールの3分の1は、食事由来」とのことでしたが、残りの3分の2のコレステロールはどのようにして作られるのでしょうか。

西尾善彦Dr: 残りは、自分の体、肝臓で作られます。
この肝臓で作るのを止めるのが、スタチンと呼ばれるお薬で、特効薬として使われています。
飲むと悪玉コレステロールが半分になります。
そして、コレステロールが高い人は、薬でコレステロールを下げると同時に、動脈硬化のリスクを下げることも大切です。

二見いすず: 動脈硬化のリスクとはどのようなものですか?

西尾善彦Dr: タバコ、糖尿病、血圧には特に気をつけましょう。
これらのどれか一つに当てはまるごとに、動脈硬化のリスクは2倍ずつ増えていきます。
動脈硬化は前触れがなく、血管が詰まるまで気づきません。
動脈硬化のリスクには十分に気をつけるようにしましょう。

二見いすず: 分かりました。
今月は生活習慣病をテーマにお送りしてまいります。
お話は西尾善彦ドクターでした。ありがとうございました。

西尾善彦Dr: ありがとうございました。