二見いすず: | 今月4月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の西尾 善彦(にしお よしひこ)ドクターです。 西尾さんどうぞよろしくお願いいたします。 |
西尾善彦Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、脂質異常症はどんな状態なのかについて教えていただきました。 悪玉コレステロールか中性脂肪が多い、もしくは、善玉コレステロールが少ない状態が、脂質異常症とのことでした。 今日はどんなことについて教えていただけますでしょうか。 |
西尾善彦Dr: | 病気になった場合、悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では治し方が異なるので、それについてお伝えいたします。 今日はまず、悪玉コレステロールが多い人の治療法についてです。 実は悪玉コレステロールが多い人は、生活習慣が良くないという原因よりも、遺伝などの体質が原因の場合が多いです。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
西尾善彦Dr: | はい。 ご両親やご兄弟の中に、「コレステロールの値が高い」と言われた方がいらっしゃったり、心臓の病気や脳卒中の方がいらっしゃったら、気をつけるようにしましょう。 |
二見いすず: | 分かりました。 身内にそういった方がいないか確認することが大切なんですね。 ところで、悪玉コレステロールが多い人は、やはり食事には気をつけた方がいいのでしょうか? |
西尾善彦Dr: | そうですね。 体内のコレステロールの3分の1は、食事由来です。 このとき、食べた量よりも吸収される量に気をつけてください。 肉の脂、鳥の脂、ラードといった動物性の脂は、コレステロールを吸収するのを促進してしまいます。 |
二見いすず: | そうなんですね。 ちなみに魚の脂は気にしなくてもいいのでしょうか? |
西尾善彦Dr: | はい。 魚の脂は気にしなくても大丈夫です。 |
二見いすず: | 分かりました。 ところで先ほど、「体内のコレステロールの3分の1は、食事由来」とのことでしたが、残りの3分の2のコレステロールはどのようにして作られるのでしょうか。 |
西尾善彦Dr: | 残りは、自分の体、肝臓で作られます。 この肝臓で作るのを止めるのが、スタチンと呼ばれるお薬で、特効薬として使われています。 飲むと悪玉コレステロールが半分になります。 そして、コレステロールが高い人は、薬でコレステロールを下げると同時に、動脈硬化のリスクを下げることも大切です。 |
二見いすず: | 動脈硬化のリスクとはどのようなものですか? |
西尾善彦Dr: | タバコ、糖尿病、血圧には特に気をつけましょう。 これらのどれか一つに当てはまるごとに、動脈硬化のリスクは2倍ずつ増えていきます。 動脈硬化は前触れがなく、血管が詰まるまで気づきません。 動脈硬化のリスクには十分に気をつけるようにしましょう。 |
二見いすず: | 分かりました。 今月は生活習慣病をテーマにお送りしてまいります。 お話は西尾善彦ドクターでした。ありがとうございました。 |
西尾善彦Dr: | ありがとうございました。 |