2021.4.17 第937回放送分 『生活習慣病』3回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月4月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾 善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さんどうぞよろしくお願いいたします。

西尾善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、脂質異常症の場合、悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では治療法が異なること。
そして悪玉コレステロールが多い人の治療法について教えていただきました。


西尾善彦Dr: はい。
今週は、中性脂肪が多くて脂質異常症になった場合の治療法についてお伝えいたします。
先週、悪玉コレステロールが多い人の原因は、生活習慣ではなく遺伝が多いとお伝えしましたが、中性脂肪の場合は逆で、食事をたくさん食べるなどの肥満が原因です。

二見いすず: そうなんですね。
どのような食べ物を特に気をつけた方がいいのでしょうか?

西尾善彦Dr: 脂になりやすい食べ物に気をつけるようにしてください。
砂糖が多く含まれる、ジュースやお菓子、あと意外ですがフルーツも糖が多く含まれています。
アルコールも体内に入ると油になりますので適量を守りましょう。
また、天ぷらやフライなどの脂っこい食事にも注意が必要です。

二見いすず: 先週、悪玉コレステロールの話の際に、「ラードなどの動物性の脂は良くない」というお話をされましたが、こちらはどうでしょうか?

西尾善彦Dr: はい。
もちろん動物性の脂は良くありません。
しかし、魚の脂は逆に薬になります。

二見いすず: 肉と魚では、「脂」という点では真逆なんですね。
魚の中でも特に積極的に摂るべきものはありますか?

西尾善彦Dr: 鯖、いわし、秋刀魚などの青魚を多く摂るようにしましょう。
また、マグロ特にトロなどは脂が多いのでおすすめです。

二見いすず: 分かりました。
食事以外に注意することはありますか?

西尾善彦Dr: 肥満にならないよう、運動をして余分なカロリーを消費することが大切です。
ウォーキングをする際は、歩きながら会話できる程度の速さで、息切れしないことがポイントです。
15分以上は歩くようにしましょう。

二見いすず: 食事のほかにも日頃から適度な運動をすることが大切ということです。
他に何か気をつけるべきことはありますか。

西尾善彦Dr: 中性脂肪が多い方は、動脈硬化のリスクもあるほか、膵炎と言って膵臓の炎症を起こす病気になる可能性があります。
膵炎は命に関わることがあり、痛みも出ます。
そうならないためにも、日頃から食事と運動に、人一倍気をつけるようにしましょう。

二見いすず: 分かりました。
今月は生活習慣病、その中でも脂質異常症について3週に渡り、お伝えいたしました。
来週は喫煙をテーマにお送りいたします。
お話は西尾善彦ドクターでした。ありがとうございました。

西尾善彦Dr: ありがとうございました。