2021.4.24 第938回放送分 『生活習慣病』4回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月4月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾 善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さんどうぞよろしくお願いいたします。

西尾善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週までは、生活習慣病、その中でも脂質異常症について3週に渡り伺ってきました。
最終週の今日は、何についてお話いただけますか。


西尾善彦Dr: 今日は、喫煙をテーマにお伝えいたします。

二見いすず: 昔から、喫煙は体に悪影響を及ぼすというのは周知の事実だと思いますが、改めて喫煙による健康被害について教えてください。

西尾善彦Dr: はい。
ガンのリスクが高まるのはもちろんですが、その他にも心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化など血管の病気につながりやすくなります。
特に脂質異常症がある人の喫煙は非常に危険で、血圧まで高いとリスクは8倍になります。

二見いすず: そうなんですね。
数年前から健康増進法が改正され、去年の4月からは飲食店でも原則屋内禁煙になりました。
以前からすると喫煙できる場所も減り、社会全体として喫煙を減らしていこうという風潮も高まっています。
タバコは良くない。
それは喫煙者の方もみなさん分かっていると思うのですが、やはり禁煙するのは相当難しいのでしょうか?

西尾善彦Dr: そうですね。
「よし、禁煙しよう!」と、自分の意思だけでやめられる人は、0%と言われているくらいなんです。

二見いすず: それほど禁煙というものは難しいものなんですね。

西尾善彦Dr: はい。
タバコに含まれるニコチンは非常に依存性の強い物質です。
お酒やコーヒーなどにも、アルコールやカフェインといった依存性物質が含まれているのですが、適量なら問題ありません。
しかし、ニコチンは薬物よりも依存の危険が高く、依存症になると一人でやめるのは難しくなります。
そんな方は専門の病院を受診し、禁煙補助療法を受けることをおすすめします。

二見いすず: 病院では、どのような方法で禁煙を目指すのでしょうか?

西尾善彦Dr: 貼り薬やガム、服薬など、禁煙補助薬を使います。
これらがあると禁断症状が抑えられ、比較的ラクに禁煙することができます。
また、医師や看護師が一人ひとりに話を聞き、その方に合ったアドバイスをしてくれるため、自分一人で禁煙するよりはずっとラクに、より確実に禁煙することができると思います。

二見いすず: 分かりました。
普段から「タバコをやめたい」と思っている方、ぜひ新年度が始まったこの4月に、禁煙を始めてみてはいかがでしょうか。
今月は生活習慣病をテーマに、鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターに貴重なお話をしていただきました。
西尾さん、ありがとうございました。

西尾善彦Dr: ありがとうございました。