2021.5.1 第939回放送分 『胃ガン』1回目 ゲスト:上之園 芳一ドクター



二見いすず: 今月5月のドクタートークは「胃ガン」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の上之園 芳一(うえのその よしかず)ドクターです。
上之園さんどうぞよろしくお願いいたします。

上之園芳一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 第1週目の今日は、どのようなことについてお話いただけますか。

上之園芳一Dr: 今日は、胃ガンを早期発見するために、年に1回胃カメラ検査を受ける大切さをみなさんに知っていただきたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
どんな病気でも早期発見の大切さは言われていますが、ガンなら余計に1日でも早く発見されたほうがいいですよね。
みなさん、なにか前兆があって受診されることが多いのでしょうか?

上之園芳一Dr: いいえ。
早期の胃ガンの患者さんはほとんどの場合、症状はありません。
進行した胃ガンになると食欲不振や吐き気などの症状が出てから病院に来られることが多いです。

二見いすず: 食欲不振や吐き気だったら、よくあることなので、最初はかかりつけのお医者さんに行く方が多いのではないでしょうか?

上之園芳一Dr: おっしゃる通りです。
まずはかかりつけ医に行って、胃カメラをして、そこで初めて胃ガンと分かる方が多いですね。

二見いすず: 「ただの食欲不振だと思っていたら胃ガンだった」となると、驚いてしまいそうです。

上之園芳一Dr: そうですよね。
先ほども申しましたが、早期の胃ガンは、ほとんど症状がありません。
だからこそ40歳を過ぎたら年に1度はぜひ、胃カメラの検査をしていただきたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
もう一つのコレステロール、善玉コレステロールについてはどうでしょうか?

上之園芳一Dr: 善玉コレステロール、これは血液検査では「HDLコレステロール」と書かれていますが、血管に溜まっているコレステロールを肝臓に戻す役割をし、普通は多ければ多いほどいいです。

二見いすず: そういえば、バリウムを飲んで胃透視の検査もありますが、胃カメラとはどのような違いがあるのですか?

上之園芳一Dr: かつては胃透視が多かったのですが、やはり小さなガンを見つけにくいです。
一方、最近の胃カメラは解像度も良くなってきていて、ガンを見つけやすくなりました。
また、胃カメラ自体も細くなっていて、体への負担も少なくて済みます。
眠っている間に検査が終わり、全く覚えていないという話もよく聞きます。

二見いすず: そのくらい違和感がなければ、検査を受ける方としてはとてもうれしいですよね。
ところで、胃ガンになりやすい人の特徴はあるのでしょうか?

上之園芳一Dr: お酒、タバコ、刺激物などが原因としてはありますが、一番多いのは、ピロリ菌です。
ピロリ菌が多くの胃ガン患者さんの原因になっているのは事実です。
そしてこのピロリ菌が有るか無いかも胃カメラで合わせて検査することができます。

二見いすず: とにかく年に1回は胃カメラを飲む。
その大切さがよく分かりました。

上之園芳一Dr: 現在、新型コロナウイルスの影響で検査をする方が減っていますが、どの病院もコロナ対策はしっかり行なっているので、ぜひ積極的に検査を受けてほしいと思います。

二見いすず: 分かりました。
今月は胃ガンをテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の上之園芳一ドクターでした。ありがとうございました。

上之園芳一Dr: ありがとうございました。