2021.5.22 第942回放送分 『胃ガン』4回目 ゲスト:上之園 芳一ドクター


二見いすず: 今月5月のドクタートークは「胃ガン」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の上之園 芳一(うえのその よしかず)ドクターです。
上之園さんどうぞよろしくお願いいたします。

上之園芳一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、胃ガンの抗ガン剤治療についてお話いただきました。
20数年前から抗ガン剤治療はすごく進歩し、現在ではガンになっても長生きできる人が増え、普通の仕事をしながら治療できるようにもなったということでした。
さて、今日はどんなことについてお話いただけますか。


上之園芳一Dr: 今日は、免疫チェックポイント阻害剤、オプジーボについてお伝えします。

二見いすず: 免疫チェックポイント阻害剤もオプジーボもあまり聞き慣れない単語ですが、どういったものなのでしょうか。

上之園芳一Dr: 3年前の2018年に京都大学の本庶佑先生がノーベル賞を取られて話題になったお薬です。
みなさんそれぞれご自身の免疫を持っています。
ガン細胞はその免疫から逃れて大きくなろうとするわけですが、その免疫を戻してあげる薬が、免疫チェックポイント阻害剤です。
オプジーボは薬の名前で点滴になります。
自分の体には必要ではないガンができたのにも関わらず、白血球が攻撃しないからガンが大きくなってしまうのですが、そこを自分の免疫が頑張ってガンを攻撃できるようにするんです。

二見いすず: そうなんですね。

上之園芳一Dr: 次に2つ目ですが、術後化学療法です。
手術をしたらステージ2もしくは3だった人が抗ガン剤治療を1年間すると、再発率が10%下がります。
目で見えるガンはないけれど、細胞レベルで残っているかもしれないからやっつける!というイメージです。

二見いすず: 自分の免疫が闘ってくれるんですね。

上之園芳一Dr: はい。
自分の免疫のスイッチを入れてくれるので、患者さんによってはガンが消えてしまうこともあります。
抗ガン剤ですと効く期限があり、消えるところまではなかなかいかないので、オプジーボはまさに夢の薬だと言えるのではないでしょうか。

二見いすず: ガンが消えてしまうことがあるなんて、本当に夢みたいな話ですね。
ただそれほどすごい薬だと、やはり保険適用外なのではないですか?

上之園芳一Dr: たしかに以前は保険適用外でしたが、今は保険診療で治療できます。
ただしオプジーボを使うには、ある条件を満たす必要があります。

二見いすず: それは何でしょうか?

上之園芳一Dr: 2種類以上の抗ガン剤を使った人だけが適用になります。

二見いすず: そうなんですね。
ちなみにオプジーボには副作用はありますか?

上之園芳一Dr: 2種類以上の抗ガン剤を使った人だけが適用になります。

二見いすず: そうなんですね。
ちなみにオプジーボには副作用はありますか?

上之園芳一Dr: 抗ガン剤に比べたら副作用の頻度は多くないですが、膠原病のような大きな副作用が5%程度出る可能性もあります。
副作用の種類は、抗ガン剤とは異なります。

二見いすず: 分かりました。
このオプジーボを使うと、だいたいどのくらいの確率で良くなるのでしょうか?

上之園芳一Dr: オブジーボが効くのは20%くらいの患者さんです。
抗がん剤も効いてくれる時代になり、オプジーボも含めて選択肢が増えた。
だからこそ今は告知をして頑張るんです。

二見いすず: 告知をするのには、そういった背景があるんですね。
今月は胃ガンをテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の上之園芳一ドクターでした。
ありがとうございました。

上之園芳一Dr: ありがとうございました。