2021.7.17 第950回放送分 『熱中症』3回目 ゲスト:杉本 龍史ドクター


二見いすず: 今月7月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島市立病院救命救急センターの杉本 龍史(すぎもと りゅうじ)ドクターです。
杉本さんどうぞよろしくお願いいたします。

杉本龍史Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、熱中症になる要因について教えていただきました。
気温や湿度などといった環境的な要因と、その方の体質や持病などといった個人的な要因の掛け合わせにより、発症するかどうかが決まるというお話でした。

杉本龍史Dr: はい。
ところでラジオをお聞きのみなさんは、「暑さ指数」というのをご存知でしょうか。
これは、さまざまな気象条件をもとに、熱中症の危険度を判断する目安として導き出された数値です。

二見いすず: 「暑さ指数」というものがあるんですね。
これはどうやって知ることができるのですか?

杉本龍史Dr: 環境省の熱中症予防情報サイトで分かります。
今お手元にスマートフォンなどがある方は、インターネットで「暑さ指数」と検索されてみてください。
すぐに出てきます。

二見いすず: このサイトでは、どのようなことが分かるのでしょうか?

杉本龍史Dr: その日の3時間ごとの暑さ指数が分かります。
5段階で色分けされているので、分かりやすいです。
この暑さ指数が28、色ですとオレンジを超えたら熱中症になる危険性が急激に高まると言われています。

二見いすず: そうなんですね。
これからの時期は、外出する前などに一度チェックしておくといいですね。
熱中症を発症する環境的な要因については、これも一つの対策になりそうです。
個人的な要因である体質や持病についても、もう少し詳しく教えていただけますか。

杉本龍史Dr: はい。
同じ環境下ですと、しっかり汗をかけるかどうか、つまり体温調節が正しくできるかどうかが、熱中症のなりやすさに大きく関係してきます。
また、心臓病や腎臓病、糖尿病などの持病がある方は、熱中症を発症しやすく、そして重症化もしやすいです。
そうなるとやはり、高齢の方や寝たきりの方が熱中症にかかりやすいと言えます。

二見いすず: このような方は、自宅で安静にしていても注意が必要なんですね。
時々「寝ている間に熱中症になっていた」というニュースも耳にしますが・・・。

杉本龍史Dr: そうですね。
高齢になると、汗をかきづらくなったり、暑さを感じづらくなったりします。
ご自身でも気づかないうちに体温が上がっているということもあるので、暑さを我慢せずにクーラーで室内の温度管理をしていただきたいです。

二見いすず: よく分かりました。
一人ひとりが正しい知識を身につけて、熱中症を防ぎたいですね。
お話は鹿児島市立病院の杉本龍史ドクターでした。
ありがとうございました。

杉本龍史Dr: ありがとうございました。