2021.8.7 第953回放送分 『小児疾患』1回目 ゲスト:楠生 亮ドクター



二見いすず: 今月8月のドクタートークは「小児科疾患」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島市立病院小児科の楠生 亮(くすばえ りょう)ドクターです。
楠生さんどうぞよろしくお願いいたします。

楠生 亮Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 1週目の今日は、どのようなことについて教えていただけますでしょうか。

楠生 亮Dr: 今日は、子どもたちにおける新型コロナウィルスについてお伝えいたします。

二見いすず: 分かりました。
昨年からさまざまな学校行事が縮小されたり、思いっきり遊べなかったり、子どもたちにも非常に負担の大きい新型コロナウィルスですが、子どもたちの感染状況はどうでしょうか?。

楠生 亮Dr: 鹿児島においては、10歳未満は4.0%と子どもの感染者は少ないです。
中学校くらいまでは、学校で感染した人は少なく、家庭内感染の方が多い状況です。
感染しても症状は軽く、熱はそれほど上がりません。

二見いすず: 学校での感染が少ないということは、みなさん学校生活において感染対策をきちんと行なっているということでしょうね。
ところで体育の授業のときなどもマスクは着用しているのでしょうか?

楠生 亮Dr: 熱中症の危険性や息がしにくくなることから、体育のときはマスク不要です。
2歳未満の乳幼児もマスクは不要です。

二見いすず: 確かに乳幼児でマスクを着用しているお子さんはあまり見かけませんが、ご家庭で、お母さんやお父さんから感染してしまうリスク
はないのでしょうか?

楠生 亮Dr: 乳幼児は、大人に比べて感染しにくいのでそれほど心配はいりません。
むしろ小児科の医師として心配なのは、乳幼児よりも中学生など年齢の高いお子さんたちです。

二見いすず: それはどうしてでしょうか?

楠生 亮Dr: 中学生くらいになると行動範囲が広がり、人ごみの多いところに行く機会が増えます。
映画やショッピングなど友人と大人数で行くこともあるでしょう。
なるべく避けてほしいですが、もしそのような場合には、マスクを着用してなるべく少人数で、密になっていないか、換気はされている場所かなど周囲の環境にも気をつけましょう。

二見いすず: そうですね。

楠生 亮Dr: 子どもたちは軽症で済みますが、自分が感染すると、それを周りの人や自分のおじいちゃん、おばあちゃんに感染させてしまう可能性もあることをしっかりと認識しておいていただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
ところでお子さんの場合、ワクチンは何歳から打つことができるのでしょうか。

楠生 亮Dr: ファイザー製、モデルナ製ともに満12歳以上です。
痛みや発熱などの副反応は他の年齢よりも少しだけ高くなる可能性がありますが、安全性は他のワクチンと比べても劣っていません。
希望される方はかかりつけ医にご相談ください。

二見いすず: 今月は小児科疾患をテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島市立病院の楠生亮ドクターでした。
楠生さん、ありがとうございました。
楠生 亮Dr: ありがとうございました。