2021.8.14 第954回放送分 『小児疾患』2回目 ゲスト:楠生 亮ドクター


二見いすず: 今月8月のドクタートークは「小児科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島市立病院小児科の楠生 亮(くすばえ りょう)ドクターです。
楠生さんどうぞよろしくお願いいたします。

楠生 亮Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は子どもにおける新型コロナウイルスについて教えていただきました。
鹿児島においては、子どもの感染者は少なく、感染したとしても症状は軽くて済むことが多いとのことでした。
今週はどのようなことについて教えていただけますか。


楠生 亮Dr: 今週は、子どもの熱中症についてお伝えいたします。

二見いすず: 連日、非常に暑い日が続いているので、熱中症になりやすい時期ですよね。

楠生 亮Dr: はい。
8月は1年を通して一番熱中症の患者さんが多い月です。
お子さんの熱中症に関しては、主に2つの世代に注意していただきたいです。

二見いすず: それぞれどの世代になりますか?

楠生 亮Dr: まずは部活動をするお兄さん、お姉さん世代です。
室内のスポーツであっても熱中症になるケースが多いので注意してください。

二見いすず: 部活動中の熱中症というと、真夏の太陽が照りつける野球やサッカーといった、屋外のスポーツのイメージですが・・・

楠生 亮Dr: 屋外だと、「熱中症になるかもしれない」と注意する意識が働きますが、室内だと油断してしまうケースがあるようです。

二見いすず: そうなんですね。
熱中症かもと思ったら、どのような対応をしたらいいでしょうか。

楠生 亮Dr: まずは涼しい場所で休み、氷を首やワキなどに置いてください。
全身に濡れたタオルをのせるのもいいでしょう。
さらにその状態でうちわなどで仰ぐと、蒸発するときに熱をとってくれるので効果的です。
あと水分だけではなく塩分も摂るようにしてください。

二見いすず: 救急車を呼ぶか判断に迷うこともあると思うのですが、目安になるようなことはありますか。

楠生 亮Dr: ぐったりして口から水分がとれないときや、熱が39度以上になっている場合は救急車を呼んだ方がいいと思います。
生徒さんだけではなく学校の先生にもお伝えしたいことですが、「気合いで乗り切る」などという根性論は、今は医学的に間違っています。
こまめに水分を摂り、休憩時間も確保してください。
この時期に無理して頑張らせるのは危険だということをしっかりと認識しておいていただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
子どもの熱中症で気を付けるもう一つの世代は、何歳くらいでしょうか?

楠生 亮Dr: 乳幼児です。
普通にしていたら熱中症にはなりにくい世代ですが、意図せずして車の中に閉じ込められたりする場合があります。
この時期は小さなお子さんだけを車内に残すのは危険ですので絶対に避けるようにしてください。

二見いすず: 分かりました。
今月は小児科疾患をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島市立病院の楠生亮ドクターでした。
ありがとうございました。

楠生 亮Dr: ありがとうございました。