二見いすず: | 今月8月のドクタートークは「小児科疾患」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島市立病院小児科の楠生 亮(くすばえ りょう)ドクターです。 楠生さん、最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。 |
楠生 亮Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、夏休み中の生活習慣の注意点について教えていただきました。 夜更かし気味のお子さんは2学期までにリズムを取り戻すこと、また日本の子どもたちは世界的にみても睡眠不足気味なので、しっかりと睡眠を確保することが大切というお話でした。 今日はどのようなことについて教えていただけますか。 |
楠生 亮Dr: | 今日は子どもの熱性けいれんについてお伝えします。 |
二見いすず: | まずは、熱性けいれんとはどのような病気なのか教えてください。 |
楠生 亮Dr: | はい。 熱があがるときにひきつけを起こす病気です。 熱が出た日、または翌日に起こります。 子どもが病院に救急車で運ばれる一番の原因は、この熱性けいれんです。 |
二見いすず: | ということは結構多い病気なのでしょうか? |
楠生 亮Dr: | 5歳くらいまでの子どもで、10人に1人くらいの割合でなります。 |
二見いすず: | なかなか高い割合なんですね。 具体的にはどのような症状が出るのでしょうか? |
楠生 亮Dr: | 顔色が悪くなり、目が上を向き、全身がかたまって、手足がガタガタするという症状が出ます。 |
二見いすず: | 親御さんはさぞかし驚かれるでしょうね。 |
楠生 亮Dr: | そうですね。 みなさんビックリされて救急車でやってきます。 「息ができない!」と思われることが多いですが、息はちゃんとできているので大丈夫です。 そして多くは数分でおさまります。 |
二見いすず: | そうなんですね。 それを聞いて少し安心しました。 |
楠生 亮Dr: | はい。 だからまずは慌てずに全身をみるようにしてください。 けいれんで怖いのは、食べたものを吐くときです。 それで窒息してしまうこともあるので、けいれんしたら体を横に向けてあげましょう。 引っかけないようにすることが大切です。 けいれんですぐに死ぬことはありません。 まずは落ち着きましょう。 |
二見いすず: | 分かりました。 とは言え、やはり我が子が初めてけいれんしているのをみたら、心配になると思います。 |
楠生 亮Dr: | そうですね。 けいれんが終わって意識が戻ったら、自宅で安静にしていれば大丈夫ですが、初めてで心配でしたら、けいれんが止まっていても病院に連れていくと安心されると思います。 なかなかけいれんが止まらない場合や、万一けいれんが終わっても意識が戻らない場合は、脳炎・脳症の可能性があるので、救急車を呼びましょう。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今月は小児科疾患をテーマに、鹿児島市立病院小児科の楠生亮ドクターに貴重なお話をしていただきました。 楠生さん、どうもありがとうございました。 |
楠生 亮Dr: | ありがとうございました。 |