2021.9.11 第958回放送分 『整形外科疾患』2回目 ゲスト:松野下 幸弘ドクター


二見いすず: 今月9月のドクタートークは「整形外科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の松野下 幸弘(まつのした ゆきひろ)ドクターです。
松野下さんどうぞよろしくお願いいたします。

松野下 幸弘Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は高齢者の骨折についてお話いただきました。
高齢者は日常生活の弱い衝撃でも骨折してしまうため、十分な注意が必要とのことでした。
特に女性は閉経後のホルモンバランスの変化で骨粗鬆症になりやすいとのことでした。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

松野下 幸弘Dr: 今日は、その骨粗鬆症についてお伝えしたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
閉経後に急激に骨密度が下がるとのことでしたが、何か予防する方法はあるのでしょうか?
よく、骨を強くするのにはカルシウムがいいと聞きますが・・・

松野下 幸弘Dr: 確かに多くのみなさんが、カルシウムを摂るといいとご存知でしょうが、実はそれだけでは骨粗鬆症の予防にはならないんです。
カルシウムをいくらとっても、吸収されないと意味がありません。

二見いすず: ではカルシウムを吸収しやすくするには、どうしたらいいのでしょうか?

松野下 幸弘Dr: ビタミンDは日光を浴びることにより体内で作られ活性化しますが、高齢になるにつれて作る能力が低下します。
鮭やキノコ類などビタミンDを多く含む食べ物も積極的に摂りましょう。

二見いすず: 日光はどのくらい浴びればいいのでしょうか?

松野下 幸弘Dr: 紫外線の浴びすぎには注意が必要ですが、夏場は10分、冬場は30分程度を目安にしましょう。
また体を動かして骨に刺激を与えることも大切です。
忙しい方は家事をするだけでも運動になるので、意識的に動かしてみてください。

二見いすず: わかりました。
骨粗鬆症を予防するためには、まずカルシウム。
そしてそのカルシウムを吸収しやすくするビタミンDを食品や日光浴で十分得るということが大切とのことですね。

松野下 幸弘Dr: はい、そのとおりです。

二見いすず: これまでは予防のお話でしたが、すでに骨粗鬆症になった方は、どのような対策をすればいいのでしょうか?

松野下 幸弘Dr: お薬がオススメです。
骨は、細胞が古いところを削って新しい骨を作りますが、高齢者になると、削る量と作る量のバランスが崩れてきます。
お薬は、その削っていくサイクルをゆっくりにして、骨のスカスカをおさえる効果があります。
また、新しく骨をつくるのを助けるお薬など、いろんな種類があります。

二見いすず: ちなみに骨粗鬆症になった方も、先ほどのカルシウム、ビタミンD、日光浴は必要なのでしょうか?

松野下 幸弘Dr: はい。
大切なので、意識的にとり入れてください。

二見いすず: 分かりました。
今月は整形外科疾患をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の松野下 幸弘ドクターでした。
松野下さん、ありがとうございました。

松野下 幸弘Dr: ありがとうございました。