2021.9.18 第959回放送分 『整形外科疾患』3回目 ゲスト:松野下 幸弘ドクター


二見いすず: 今月9月のドクタートークは「整形外科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の松野下 幸弘(まつのした ゆきひろ)ドクターです。
松野下さんどうぞよろしくお願いいたします。

松野下 幸弘Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は骨粗鬆症についてお話いただきました。
骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムだけではなく、カルシウムを吸収しやすくするためにビタミンDを多く含む食材を摂り、さらに日光浴でビタミンDを作るのが大切というお話でした。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

松野下 幸弘Dr: 今日は、骨折の多い場所とその治療法についてお伝えします。

二見いすず: 分かりました。
早速ですが、骨折は体のどの部分が多いのでしょうか?

松野下 幸弘Dr: ベスト3が、太もも、手首、背骨です。

二見いすず: そうなんですね。
では一つずつ治療法について教えてください。

松野下 幸弘Dr: はい。
まず太ももですが、できるだけ早く手術をして、できるだけ早くリハビリで立たせる必要があります。

二見いすず: それはなぜでしょうか?

松野下 幸弘Dr: 寝たきりだと筋力が落ちてしまいますし、床ずれも起きてしまいます。
また、横になったままだと誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
さらには、同じ場所にいると刺激が減るため、高齢者の中には認知症になりやすいというリスクもあるのです。

二見いすず: 筋力の低下、床ずれ、誤嚥性肺炎、認知症。
太ももの骨折で寝たきりになると、さまざまな部分に影響が出てきてしまうんですね。
次に手首の治療法について教えてください。

松野下 幸弘Dr: 手首は、骨折のズレが大きい場合は手術をします。
ズレが少ない場合は、ギプスで固定して治す場合もありますが、どちらかと言うと手術が多いです。

二見いすず: 分かりました。
最後に背骨の治療法について教えてください。

松野下 幸弘Dr: はい。
背骨はコルセットをつけてリハビリをします。
期間にすると3ヶ月ほどコルセットをはめての生活になります。
手術をすることは比較的少ないです。

二見いすず: どうして背骨の骨折の手術は少ないのでしょうか?

松野下 幸弘Dr: 太ももや手首は、元の形に戻さないと関節の動きに支障が出ますが、背骨は、潰れても骨が固まれば支障は出ないことが多いからです。
もちろん、潰れ方や程度によっては手術が必要になります。

二見いすず: 分かりました。
骨折の多い場所は、太もも、手首、背骨で、特に太ももの骨折の場合は、体にさまざまな影響が出るため、早めの手術と早めのリハビリが大切ということでした。
今月は整形外科疾患をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の松野下 幸弘ドクターでした。
松野下さん、ありがとうございました。

松野下 幸弘Dr: ありがとうございました。