二見いすず: | 今月9月のドクタートークは「整形外科疾患」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の松野下 幸弘(まつのした ゆきひろ)ドクターです。 松野下さんどうぞよろしくお願いいたします。 |
松野下 幸弘Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は骨粗鬆症についてお話いただきました。 骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムだけではなく、カルシウムを吸収しやすくするためにビタミンDを多く含む食材を摂り、さらに日光浴でビタミンDを作るのが大切というお話でした。 今日はどのようなことについて教えていただけますか。 |
松野下 幸弘Dr: | 今日は、骨折の多い場所とその治療法についてお伝えします。 |
二見いすず: | 分かりました。 早速ですが、骨折は体のどの部分が多いのでしょうか? |
松野下 幸弘Dr: | ベスト3が、太もも、手首、背骨です。 |
二見いすず: | そうなんですね。 では一つずつ治療法について教えてください。 |
松野下 幸弘Dr: | はい。 まず太ももですが、できるだけ早く手術をして、できるだけ早くリハビリで立たせる必要があります。 |
二見いすず: | それはなぜでしょうか? |
松野下 幸弘Dr: | 寝たきりだと筋力が落ちてしまいますし、床ずれも起きてしまいます。 また、横になったままだと誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。 さらには、同じ場所にいると刺激が減るため、高齢者の中には認知症になりやすいというリスクもあるのです。 |
二見いすず: | 筋力の低下、床ずれ、誤嚥性肺炎、認知症。 太ももの骨折で寝たきりになると、さまざまな部分に影響が出てきてしまうんですね。 次に手首の治療法について教えてください。 |
松野下 幸弘Dr: | 手首は、骨折のズレが大きい場合は手術をします。 ズレが少ない場合は、ギプスで固定して治す場合もありますが、どちらかと言うと手術が多いです。 |
二見いすず: | 分かりました。 最後に背骨の治療法について教えてください。 |
松野下 幸弘Dr: | はい。 背骨はコルセットをつけてリハビリをします。 期間にすると3ヶ月ほどコルセットをはめての生活になります。 手術をすることは比較的少ないです。 |
二見いすず: | どうして背骨の骨折の手術は少ないのでしょうか? |
松野下 幸弘Dr: | 太ももや手首は、元の形に戻さないと関節の動きに支障が出ますが、背骨は、潰れても骨が固まれば支障は出ないことが多いからです。 もちろん、潰れ方や程度によっては手術が必要になります。 |
二見いすず: | 分かりました。 骨折の多い場所は、太もも、手首、背骨で、特に太ももの骨折の場合は、体にさまざまな影響が出るため、早めの手術と早めのリハビリが大切ということでした。 今月は整形外科疾患をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の松野下 幸弘ドクターでした。 松野下さん、ありがとうございました。 |
松野下 幸弘Dr: | ありがとうございました。 |